JAM-不良の成り上がり冒険譚-
あに
第1話 地獄に堕ちる
夜の渋谷の裏通り。
「うらぁ!」
俺は蹴りを避けて殴る。
「グハッ!」
と壁まで飛んでぶつかりずり落ちる。
「やりぃ!やっぱりイッチーが一番じゃん」
俺の名は
「当たり前だろ、それよりここらでデカいツラすんじゃねーぞ」
「グッ……」
こいつらは『王道』と言うグループだ。
強姦、窃盗、傷害なんか当たり前にやっている奴らだ。
『王道』のスプレーアートを上から俺ら『
「お、お前ら覚えておけよ」
「は?負けた奴なんかしらねーっての!頭腐ってんのか?」
と蹴り上げるのは俺じゃなくて
「ったく、口は達者だな」
デカい体で緑の髪を編み込んでいる
「な、なにを?今からタイマンはるか?」
「美柑も
「「チッ!」」
はぁ、喧嘩っ早いやつらだなぁ。
「で!今回でこの街は俺たちの縄張りになったわけだし?」
「だな、ここらで仲間を集めて」
「やだよ。群れないと何もできない俺らじゃないだろ?」
数じゃなくて仲間は信頼できる奴等がいい。
「そうだけどさぁ」
と武道は言葉を濁す。
「いいんだよ、『邪夢』は3人で」
「まぁ、イッチーがいいってんならいいけど」
そう言ってファミレスで飯を食ってから二人と別れ家に帰る。
その日二人は病院に担ぎ込まれた。
病院に到着したら、
「貴方が兵藤君ね!貴方のせいで美柑が!」
「うちの武道も。ヤンチャが過ぎたか……」
二人の親に説教をされるが、二人が気になり見てみると二人とも別人のようになっている、生きているのが奇跡だと言われた。
「すいませんでした」
と言う言葉しか出てこなかった。
それから荒れた俺は二人をやったのが『王道』だと知り、『王道』を潰して回った。
「お、俺らが悪かった!」
『王道』の頭の岩垣が頭を下げるが、許すわけないだろ?
「……」
頭も潰してようやく仇は取れたがまだ二人の意識は戻らない。
「ふぅぅ……美柑……武道」
とつぶやく。
そして帰り道、裏道を通っていると囲まれる。
「へへっ、数で抑えりゃなんとかなるだろ!」
「……斉藤に羅臼か?お前らの頭は潰したぞ?」
「羅臼っていうんじゃねぇ!」
「頭なんているだけなんだよ。数の暴力に屈しろ」
「行けっ!!」
裏道は『王道』の人間で溢れていた。
そして俺は一人でなんとかしていた気になっていたが、数には勝てないことを知った。
ボロボロになったがなんとか撃退し、その場に倒れ込む。
「ぐっ!……た、武道の言った通りにすれば良かったのか?」
倒れながらも心臓は動いて体は熱くなる。
「クソッタレ……」
俺は目を瞑りこのまま体が動くのを待つ。
目を開けると俺は洞窟のような岩がある場所に大の字で倒れていた。
「どこだここ?か、らだは痛いな」
痛む体を無理して起こし、立ってその場を見渡すと坑道のような場所にいることがわかった。
「ここは光があるのか?」
微かに光る岩なんか知らないが薄暗い中、ポツポツとあかりがある。
“ドンッ”
と後ろから体当たりをされたようで、よろけながらも裏拳を放つ。
“ムニッ”
とした変な感触の後なにか石のようなものを粉砕する感触があった。
“ベチャッ”
とそれは壁に当たり煙になって消える。
“ティリリン”
電子音のような音がして俺の体が軽くなる。
頭からも血を流していたがパリパリと血が固まっている。
「なんの音だ?それにさっきのは?」
“カタカタッ”
「ん?は?」
そこには剣を持った骸骨がこちらに向かってきている。
俺は距離を取りあたりを見回す。
スライム?にスケルトン?昔、見たことのあるゲームのような世界?いや、俺はあのまま死んで地獄に来たみたいだな。
「悪いことをした覚えはないが……とことん神様は俺が嫌いらしい」
親に恵まれずネグレクトだった俺は生きるためになんでもやった。
小学校には祖父が行かせてくれたが先公が嫌みたらしく俺を集中して苛めてくる。
それに耐えて中学に上がると親は亡くなり、祖父も亡くなったので一人で生きて行くしか無くなった。
『俺は一人でいい、今に見てろ』
と誰にでもなく自分に言い聞かせ、高校は行かずにいると仲間と呼べる二人ができた。
美柑は2個上、武道は同い年だ。
3人で『邪夢』を作って暴れ回ってきたが、地獄行きとは思ってなかったな。
「来いよ!憂さ晴らしだ!」
俺はスケルトンの緩慢な動きを見ながら殴り飛ばし剣を奪い頭に突き刺す。
煙になって消えて行く。
本当に小さい頃に見たゲームのようだな。
「おし!次ぃ!!」
見ればスライムにスケルトンがウジャウジャいるので倒して回る。
不思議なことに身体の痛みは無く、逆に身体のキレが良くなっていく。
どんどん倒してたまに“ティリリン”と言う音が聞こえるが無視して階段があることに気づく。
「地獄に階段か……つぎはなんだ?」
俺は降りていき、獣のような二足歩行の化け物を倒して行く。
もちろん拳一つで殴り倒して行く。
途中で箱を見つけ、中を見るとナックルガードと革の防具?が入っていた。
着ろということか?まぁ、服も破れてるからありがたいがな。
なんとか着て見るがブカブカだな。
「『フィット』しないな」
途端に服が縮むと動きに支障がない程度に身体に馴染む。
「なんだ?……考えてもここは地獄だ。気にしててもしょうがないか」
ナックルガードを嵌めた俺はもう3階に来ていて、音がする度に自分が強くなっているのを感じていた。
「おらぁぁ!かかってこいよ!」
4階に降りると背の高い鬼がいた。
やはり地獄のようだな。
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