【追加エピソード:両手に◯エンド後の世界】

第1話 交通事故の夢(side:まなみ)

「うっ………!」

『ダメだよ和樹…ちょっと早過ぎじゃない?』

「そう言われてもな。あかりの具合が良過ぎて…』

『ふふっ、それは…まなみよりも良いって事よね?』

「そ、それは…」

『あーあ、ちゃんと私の方が良いって言ってくれたらもっといっぱいサービスしてあげたのになぁ?』

『ちょ、ちょっと…お姉ちゃん!私が居るの忘れてない⁈もう交代、私と交代する番なんだから!ほら、和兄ぃもっ!」


◆◇◆◇◆◇

 お姉ちゃんだけでなく私も和兄ぃと身体の関係を持つようになってから、かれこれ三ヶ月が過ぎた。


 和兄ぃのご両親が仕事で帰宅が遅いのを良い事に、お姉ちゃんも私も和兄ぃの家に入り浸っている。まぁお姉ちゃんは前から似たようなものだったものの、こんな爛れた関係ではなかったしね。


 殆ど毎日のように私たちと和兄ぃは求め合っている。二人で取り合うようにして、和兄ぃという指定席に跨ろうとするため三人でスるにしても順番と交代制が設けられた。


 とは言え、盛り上がって来るとそんなの関係なくなってきちゃうけどね?


(お姉ちゃんから『和樹をシェアしない?』って言われた時は、正直耳を疑ったけど––––結果的にはこれで良かったのかもしれない)


 倫理的なものや世間体を考えれば今の関係は良くないに決まっているものの…この関係に収まった事で小さい頃のように、いつも三人で過ごすようになっていた。


 そしてもう一つ。お姉ちゃんの変化だ。私に和兄ぃを取られたくない、という想いが生まれ少しずつだけど和兄ぃへの気持ちを自覚していったみたい––––だからと言って、今の私はお姉ちゃんに譲るつもりなんてサラサラ無いけどね。


 ちなみに避妊についてなんだけど、お姉ちゃんは最初何もしてなかったらしい。ホント二人とも何考えてるんだか…幸いな事に無事生理は来て事なきを得た。


 でも私も加わってゴムの消費量も馬鹿にならないものなっていった。そこでお姉ちゃんも私も最近月の日が重くて辛い、という話をお母さんにした。結果、低容量の避妊薬を安定して購入・服用出来るようになった。


 飲み始めてしばらくは吐き気などのマイナートラブルはあったものの、今では殆ど気にならなくなった。


 いつかは和兄ぃとの子供も欲しいとは思うけど、今は三人でこうして仲良く…この心地良い関係に溺れていたい–––そう願っていた。



 私は夏休みに入ってからおかしな夢を見るようになった。それは和兄ぃが交通事故に遭うという夢––––。


 三日三晩、和兄ぃが事故に遭う夢を繰り返し見たんだけど…内容というかシーンがそれぞれ違う物だった。


 一日目はショッピングモールの駐車場で私を庇っていた。二日目は家族みんなで温泉旅館に向かう途中、バスがトラックに巻き込まれていた。三日目は飲酒運転した車に和兄ぃ

が轢かれる、というものだった。


(何、これ––––何かの予兆?正夢になるとかそんな訳……)


 最初はただの偶然?と思った事と、流石に縁起でもないので和樹兄ぃにもお姉ちゃんにも黙っていた。


 しかしあまりにリアルな夢を二度三度と見てしまったため、二人にも伝えて今後の対策を考えてみる事になった––––。


 

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