第5話 再会

 お母さんも無事退院し、出来ていなかった葬儀を簡易的にだけど執り行った。


『まなみ、和樹、お父さん、和樹のお父さん、お母さん。今までありがとうございました。さようなら。みんなの分まであずみの事を可愛がって立派に育てて見せます』


 告別式で私が述べた言葉は、自分への発破でもあり、亡くなった5人への誓いでもある。


 私は慣れない子育てに悪戦苦闘しながらも、必死であずみを育てた。皮肉にも事故の賠償金と生命保険で入ったお金で暫くは何もしなくても生活出来る状況だった。


 しかしそのままではいつかお金は尽きてしまうし、母からも出会いが無いんなら外に出なさいと言われていたので久しぶりに職探しをする事に–––。


 お給料よりも、何かあった時に融通が利く職場を探す事にした。1番は在宅で出来る仕事だったのだが、それはお母さんに却下されてしまった。


 結局家から近い所で募集していた事務職に応募し採用してもらえた。予め家庭の事情は伝えているため、ある程度時間を融通してもらえる。


 ただ比較的年配が多く、若い人は皆既婚者のためお母さんが思うような出会いは無さそうだけど…。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

 あずみはすくすくと育ち、もうすぐ4歳。この春からは幼稚園に通い始めた。やんちゃで手がかかる所もあるけれど、成長をこの目で見れるのは喜ばしい。


 園へのお迎えは行ける時は私が、難しい時はお母さんにお願いした。私がお迎えに行くと『ママ!』と走り寄ってくるところは本当に可愛らしい。


 今日は仕事も早く上がれたため、私がお迎えに行く事にした。そう言えばこの前、新しい先生が来たって言ってたような…?


 まだ私は会った事がないけど、その時はあまり気にも留めていなかった。


『ママー!』


『あずみ、今日も楽しかった?』


『うん、あたらしいせんせいがあそんでくれてたの!ほら、あのひと!』


 その新しい先生に挨拶をしようと目線を向けると、ちょうどその先生もあずみに手を振った後に私を見る。


「あ、相澤さん…?」


『え…?あれ?もしかして…先輩?』


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【補足】

 この先輩はまなみルートの先輩なので、やらかしていない『きれいな先輩』です。





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