第20話
第20話:決断の時
ネルフ本部の通信室は、使徒の接近を知らせるアラームの音で満ちていた。緊張が一気に高まる中、佐伯は冷静に指揮を執り、作戦を練り直していた。彼の目は鋭く、背後ではアスカがエヴァンゲリオンのコックピットに座り込む姿が見える。
「今回の使徒は、前回とは比べ物にならない強さを持っている。まずは、アスカ、君のエヴァを前線に出して、敵の動きを抑えろ。」
佐伯は冷徹な指示を出す。しかし、その指示の背後には、どこか迷いがあることを自覚していた。
⸻
アスカは、コックピットの中で無言のまま、心の中で葛藤を繰り広げていた。
「また戦うのね…でも、戦った先に何が待っているんだろう。ゲンドウが言った未来が本当に正しいのか?」
彼女は思わず目を閉じ、深呼吸をした後、エヴァの操縦を開始する。
「やるしかない、誰もが犠牲になるわけにはいかない。」
その言葉に決意を込め、アスカはエヴァを前進させた。
⸻
一方、ゲンドウは司令室で冷静に戦況を見守っていた。その目は、どこか冷徹にすべてを把握しているように見えた。
「使徒との戦闘は、またも避けられない。しかし、これを機に世界を動かすのだ。」
彼は静かにモニターに目を向け、アスカとエヴァの動きを確認していた。
「ネルフが果たすべき役割、そして私たちが選ぶべき未来。それを実現するためには、戦いが必要だ。」
その言葉は、やがて彼の目指す「未来」を確固たるものにしようとしている。だが、その先に何が待ち受けているのか、誰も予測できない。
⸻
戦場では、使徒が激しく攻撃を繰り返していた。その巨大な体が、破壊の限りを尽くしながら迫ってくる。アスカは必死にエヴァを操り、使徒の攻撃を回避しつつ反撃を加えようとするが、使徒の力は圧倒的だった。
「くそっ…!どうしてこんなに強いのよ!?」
アスカの心の中に焦りが生まれる。それと同時に、佐伯からの指示が入る。
「アスカ、もう一度攻撃を試みろ!全力で!」
その声に、アスカは決意を固め、エヴァを再び前進させる。しかし、その時、突然、背後から別の指示が飛び込んできた。
「もうすぐゲンドウが発動する。」
その言葉にアスカは一瞬顔をしかめる。
「ゲンドウ…」
彼の意図が不明確であることは、アスカにとって大きな不安要素だった。
⸻
その頃、ネルフ本部の地下深くにある秘密の施設では、ゲンドウが自らの手で何かを準備していた。
彼の目の前には、一台の巨大な機械が静かに待機している。その周りを数人の科学者が囲み、慎重に操作を進めていた。
「これが最後の手段か…」
ゲンドウは、冷静にその機械を見つめながらつぶやいた。その機械が発動する時、ネルフの未来、そして世界の未来が大きく変わるのだ。
⸻
戦闘が続く中、佐伯はますます焦燥感を覚えていた。使徒の攻撃が激化し、エヴァの武装が次第に効果を示さなくなってきていた。だが、何かが引っかかる。ゲンドウが発動しようとしている計画。それが本当に正しいのか。
「もし、ゲンドウが本当に未来を変えようとしているのなら、それがどういう結果を招くのか、私はまだ確信が持てない。」
佐伯は再度、モニターを確認しながら決断を下すべき時が迫っていることを感じていた。
⸻
その瞬間、アスカのエヴァが再び使徒に向かって進んだ。
「今度こそ、終わらせてやる!」
彼女は全力でエヴァを突撃させ、使徒の巨大な体に一撃を食らわせる。だが、その攻撃もまた、使徒の強靭な体にはあまり効いていない。
「くそ…!こんなことで世界が終わるのか?」
アスカの心に、ふとゲンドウの言葉が蘇る。「この戦いが必要だ。」
その言葉に、アスカは目を見開く。「本当に、そうなのか?」
その時、突然、ネルフ本部の全システムが一斉に警告を発した。
「システム異常!ゲンドウ、計画発動!」
その言葉に、佐伯とアスカは驚き、すぐに戦闘を中断して本部へと向かう。
⸻
次回予告:第21話「終焉の時」
ゲンドウの計画がついに動き出す。使徒との戦闘の果てに、彼が目指す新たな未来がついに姿を現す。
だが、その未来には、誰も予期しなかった恐ろしい結果が待ち受けていた。選ばれし者たちの決断が、世界を決定的に変える時が来る——。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます