ブレイブ&マジック~異世界から帰還した勇者は魔法少女と一緒に無双するようです~

アンリミテッド

第1話 勇者と魔法少女

 唐突だが、俺は異世界に勇者として召喚された。まだ子供だったから何がなんだか分からなかったが、この時から魔王と戦う運命にあったのかもしれない。

 周りの人達に支えられてきた。理不尽な出来事もあった。それでも俺は歩むことを止めなかった。


 そして俺は、魔王を倒せた。


 その後は王宮に戻ったり、冒険者達と宴を開いたりした。とても楽しかったと思っている。


 で、その翌日。異世界の人々にお別れを済ませた俺は、一人王国の門の前で立っており、朝日が昇り始めた。


「この世界とも、お別れか」


 そう、俺は元の世界に戻ることを決意した。そのことは出会ってきた人々に伝えている。皆残念だと、引き留める声もあったがそれでも元の世界に戻ることを伝えた。


『時間になりましたね』


 脳に直接語り掛けるような声がした。その声は女神様である。一度だけ姿を現したことがあり、女神様らしい美しさがあった。


「そうですね」


 下を見れば地面が円になるように光っている。


『それでは、九条隼人よ。貴方を元の世界に戻します。異世界から戻った貴方は若返るでしょう。そして周りの人々は貴方のことを思い出します』


「分かりました。お願いします」


『……今までお疲れ様でした。そして、ありがとうございました』


 俺は光に包まれて元の世界へと戻っていくのだった。

 俺の名前は九条くじょう隼人はやと。異世界で勇者だった男だ。




 平和な世界が広がっていると思った。今考えれば、俺の恰好って不味いのかもしれない。剣持ってるし、鎧を纏っているから。

 でも、元の世界に戻った俺の第一声は……


「何処だここ」


 まるで洞窟の中だ。まさかここから家に帰らないといけないのか。


「まぁ帰るまでの時間があるのは良い。早速だが、まずは鎧を――」


 鎧を脱ごうとした瞬間、音が響いた。ここってただの洞窟だよな? どうにも嫌な予感がする。行かなければいけないような、そんな感じだ。


「行くか」


 駆け足で音がした方向へと向かう。音が段々と大きくなる。やがて音がした場所へとやってきた俺に待ち構えていたのは、疑問であった。


「何故、魔物がいる」


 俺の目の前に映っているのは、黒い体をしたデーモン。座り込んでいる少女……全体的にフリフリとした衣装を纏っているから魔法少女か。

 これは現実だ。だが俺の知っている限りなら、これらは空想の筈なのだが……


 デーモンが動き出す。恐らく魔法少女にとどめを刺すつもりだろう。

 俺も自然と体が動いていた。


 デーモンが近付いて、拳を振り下ろしてきた。俺は魔法少女の前に立ち両腕を交差してデーモンの攻撃を受け止めた。


「きゃっ!?」


 そのまま攻撃を押し返して、デーモンに拳を叩き込む。デーモンをぶっ飛ばした。

 少しだけ魔法少女の方を振り向く。


「ここから先は任せろ」


「君は……!」


 何かを言いたそうにしていた魔法少女だったが、デーモンが咆哮を上げてきた。会話は後になりそうだな。


 デーモンが接近したから、俺も接近する。デーモンは拳を強く握り締めてラッシュを繰り出した。俺はそれを全て受け流していく。デーモンの表情は驚愕といった感じか。


「はあ!」


 俺はデーモンに拳を叩き付ける。デーモンは後ろに後退して、手で叩き込まれた場所を押さえている。


 デーモンは大きく叫びながら、両手から光弾を生み出す。それを俺に向かって放ってきた。俺は剣を抜き、魔力を流す。そして光弾を切り裂いていく。

 デーモンはそれを認めたくないのか、連続で光弾を放ってきた。だが、俺はそれを全て切り裂いていく。同じ攻撃が通用すると思うなよ。


「終わりにしよう」


 光弾を切り裂きながら接近。デーモンは恐れたような表情しながら光弾を放ち続ける。それを切り裂き、進み続けた。そして、デーモンの目の前まで接近し、剣を振り下ろした。デーモンに一直線が出来た。

 俺は剣を鞘に納める。デーモンは消滅し、石が落ちた。そのまま放置して振り返り、魔法少女に近付く。


 魔法少女の外見は、金髪の長いポニーテールにピンク色の瞳。ピンク色のフリフリとした服と靴。

 ほんと、俺の幼馴染が好きそうな姿だ。


「大丈夫か?」


 俺は魔法少女に手を伸ばす。


「あ、ありがとう」


 魔法少女も俺の手を取り、立ち上がった。さて、どう接するか。


「ねぇ……」


「うん?」


 魔法少女が俺を真っ直ぐ見てくる。どうかしたのだろうか。


「隼人、なの?」


 魔法少女から俺の名前が出てくるのであった。




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