#番外編 主人公:達海の能力を解説!

この物語の主人公、天池達海の能力を解説!! 


トラックに轢かれてしまった達海は、目覚めてからある能力を手に入れてしまう。その能力をこれから、なるべくわかりやすく解説しようと思う。



①幽霊を視認する能力


 この世には幽霊が存在している。しかし、その存在を信じているものは決して多くはない。なぜなら、ほとんどの人間には幽霊のことが見えていないからである。

 しかし、幽霊をぼんやりとでも見ることができる人たちはこの世界に一定数いる。それがいわゆる「霊感が強い」と言われている人たちだ。幽霊が見える具合は個人差があり、その中でもごく稀に、生きている人間[以降は生者と呼ぶ]と区別がつかないほどに、ハッキリと幽霊を視認することができる人たちも存在している。

 達海は事故以降、幽霊のことをハッキリと見ることができるようになってしまったのだ。



②幽霊に強制的に触れる能力


 もう一つの達海の能力は、幽霊に“強制的”に触れることができる能力。この能力は幽霊を視認する能力と違い、生者にこの能力を持っている者は存在しないはずである。だから普通、生者は自分の意思で幽霊に触れることは決してできない。

 この能力は少しややこしいので、まずは幽霊の特性についてから説明することにしよう。

 幽霊は、私たち生者とは微妙に異なる次元に存在している。そのため、生者が存在している次元の物質との干渉は非常に希薄なものとなっている。

 幽霊は生者の次元の物質[生者、物体]に触れることができる。皆さんも不気味な夜を一人で過ごしていると『何者かに触れられた』なんて経験もあったりするだろう。そう、幽霊の仕業である。幽霊にはしっかり足もあるし、その足で地面を歩くこともできる。

 また、幽霊はそれらの物質を透過することも、彼らの意思によって可能となる。壁のすり抜けなんかは、彼らの移動手段としては便利なものだろう。

 次に幽霊が故意に物質を動かそうとした時について。ポルターガイストという言葉は聞いたことがあるだろうか。幽霊が物体を動かすことで発生する現象である。しかし、普通の幽霊は物を動かそうと物質に力をかけると、すぐにすり抜けてしまう。例えば、幽霊が近くに置いてあるコップを掴んで持ち上げようとしても、数センチ動かしたところで、すぐにすり抜けて落ちてしまうし、生者の体に触れて体を揺さぶってやろうとしても、すぐにすり抜けてしまう。生者は、一瞬何かに触られたという感覚が残るだろうが。

 だが、幽霊は力の強い者ほど生者の次元にある物質を長時間、動かすことができる。そのため、強い力を持っている悪霊は、生者にとって危険な存在なのである。

 なに? この説明だと、人は床を踏ん張って[力をかけて]立っているんだから、普通の幽霊は床や地面をすり抜けて、地中に真っ逆さまになってしまうんじゃないかって? ははは、この物語はファンタジーだぜ。不思議な特性が幽霊にはあるんだよ。

 さて、本題の達海の能力について。

 彼は幽霊が透過していようが強制的に触れることができてしまう。というよりも、幽霊を強制的にこちら側の次元に引き出すと言った方が正しいだろうか。だから、普通の幽霊でも達海の手をとってぶんぶんと振り回すこともできるし、透過している幽霊に達海のパンチ攻撃を当てることもできてしまうのだ。

 さらに、達海が触れた幽霊は一定時間、透過することができなくなってしまう。達海が殴り飛ばした幽霊は壁を透過することができず、そのまま直撃してしまうという訳だ。


 いかがだっただろうか。作中でわかりにくかった達海の能力が、少しでも理解していただけたのではないだろうか。

 それでは引き続き『ゴーストパラダイス』の世界をお楽しみに。


 

 

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