2.5話 お兄ちゃんのトラウマ

「今日もレイちゃんと遊びに行ってくるね〜」

「…なんか、最近多くないか?」

「レイちゃん高校生になったから、その分積もる話もたくさんあるんだよ。」


 そう、レイちゃんはピッカピカの高校一年生。お兄ちゃん関連の話もあり、話したいことがお互いいっぱいある。


「…カナ、もしかしてその、レイちゃん、の事が好きなのか?」


 またお兄ちゃんが変なことを言っている。

 兄の奇行は今に始まったことじゃないからあまり気にしないけど。


「レイちゃんは女の子だよ?」

「…カナ、恋愛に性別など関係無いんだよ。百合だっていいじゃあないか!!!」

「…」


 やけに真剣な顔で言ってくる。

 そういえば、お兄ちゃんの本棚には百合系の本が多い気がする…もしかして、お兄ちゃんは同性が好き?


 …でもBL本は本棚に無かったはず。


「…もしかして、お兄ちゃん、レンさんの事好きなの?」

「グハァッ!!」


 お兄ちゃんが超大袈裟な反応と共に倒れてしまった。

 もしかして…本当にお兄ちゃんは同性が好き?…だとしたら一刻も早くレイちゃんに伝えないと…


「違う。…俺は…BL恐怖症なんだ。」

「え?」

「情けない話だからカナにはした事がなかったが、お兄ちゃん、BLがトラウマなんだ。」

「どういう事?」

「小学生の頃、仲が良かった女子に漫画を借りて、その内容が濃いBLで…それ以来、BLの類いはお兄ちゃんのタブーなんだ。」

「そ、そういう事ね…よかった…」


 本当にお兄ちゃんが異性に恋愛感情を持てないタイプだったらレイちゃんが衝撃で死んでしまう所だった。レイちゃんの長年の片想い、是非とも叶ってほしい。


「レンにもその話はしてて…俺とレンは男の「友情」で結ばれてるから。あくまで友情な?」

「分かったって。」

「って、…良かったって、どういうこと?」

「え!?あ、いや~…あ、もう時間だ!行かなくちゃ!じゃあねおにいちゃ~ん!」

「あ、あぁ…」



§



 あの焦りよう、明らかに何か隠している…が、まぁ、カナももう年頃の女の子。隠し事の一つや二つはあるだろう。紳士でジェントルマンなお兄ちゃんはそっとしておこう。




 …突っ込み役がいないってのも悲しいな。



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