【1000PV達成】LOUD MOTHER FXXKIN' GIRLS
ほわほえ
シーズン1 結成編
第1話 Love at First Sight
Love at First Sight①
「ごめーん! 待った!?」
「遅ーい! もう入場始まっちゃうよ!」
私の名前は
私を待っていてくれた二人の友達。一人は高校からの仲良くなった
「まぁでも整理番号的に私たちが入れるのもう少し後なんだろ? 間に合ってよかったじゃん」
遅刻した私をフォローしてくれたのは小学生の頃からの大親友、
「それにしても、今日は本当にありがとう! 私たちも応募したんだけど、やっぱりハズレちゃって!」
「まぁまぁいいってことよ。このリカ様に感謝してよね~」
「リカだって、チケット余っちゃってどうしようって困ってたじゃんか」
今日、私たちが集まったのは他でもない。私たち三人が大好きなロックバンド、『UNDER THE RUMBLE CITY(通称:アザラシ)』のライブを見に来ていたのだ。
すでに会場の周りには人がいっぱい集まっていて、整理番号順に列を成している。今日のキャパは3000人ぐらいの会場なんだけど、それでもチケットは手に入りづらい。私とレイヤがチケットをハズしてがっかりしてたとき、リカがこのライブに誘ってくれたのだ。
「整理番号1500番までの方~! 前へお進みくださ~い!」
「お、列動くぞ」
「う~! 緊張してきた……! アザラシ見れるの1年ぶりぐらいだよ~!」
ひさしぶりのアザラシのライブ、私はこの日をこの上なく楽しみにしていた。この日のために宿題は全部終わらせたし、曲も全部聴き直した。もうこの日が最高になるならこの一年、他に楽しいことが無くなってもいい。それほど私はこの日に賭けていいる。
「そういえば今回って対バンツアーだから前座のバンドがいるんだよね~。エミちゃとレイちゃは予習とかしてきた?」
「私はあんまり気にしてなかったから聴いてないな。エミは?」
対バン……? そういえばそんなのがあった気がする。いつもはもう少し大きな会場のワンマンしか見に行ったことがなかったから、他のバンドが出る事なんてすっかり忘れていた。
「私も全然~。ってか対バンなんていらないよね。周り見た感じほとんどアザラシのファンじゃん。ワンマンだったらよかったのに~!」
「はいはい。贅沢言わない」
レイヤにツッコまれ、三人で雑談しながら列に並んでいるといよいよ会場の中へと入場する。座席はすべてオールスタンディングで指定席などはなく、すでに1000人は会場に入ってるからか前の方は多くの人でパンパンになっていた。
「うーん、やっぱり最前は無理かぁ……」
「まぁ前のほうは人が多すぎて集中できないかもしれないし、これぐらいの位置のほうがいいんじゃないか?」
「レイちゃわかってないなぁ~。私たちレイちゃと違ってチビなんだから、前行かないと見えづらいんだよ~」
リカはドリンクを飲みながらジト目で羨ましそうにレイヤの顔を見る。
そうこうしているうちに私たちの周りにも徐々に人が増え始める。といっても、まだまだスペースに余裕はあって窮屈ではない。たぶん、アザラシの出番までは時間があるから遅れて入ってくるお客さんもいるんだろう。そのおかげでいつもは見えづらいステージ上がハッキリと見えていた。
「知らないバンドだけど、アザラシもこの位置ぐらいで見たいしひとまずここで見よっか」
「うん、そうだね。今抜けちゃうともっと後ろになっちゃうだろうし」
すると、唐突に会場の明かりが消えBGMがフェードアウトする。いよいよ開演の時間だ。と言っても、私はアザラシを見に来たんだからあんまり前座のバンドには興味ないんだけど……。
ステージ上がライトアップされ、重低音のSEが鳴り響く。たぶんこのバンドのファンたちがいたら会場は盛り上がっていたんだろうけど、今日のお客さんはほとんどアザラシのファンだからかなんだかステージの演出とお客さんの興奮度にギャップを感じる。本番でお通夜状態にならないといいけど、と私は内心あざ笑うような感じでバンドの登場を待った。
そして、ステージ上には前座バンドの面々が現れる。なんというか、アザラシと違ってイケメンでもないし華やかさもない……ステージ上に現れたのは質素なTシャツに身を包んだ30代ぐらいの男性メンバーたち。髭面だったりロン毛だったりと、お世辞にもかっこいいと言えるような見た目をしていないし、どこかおじさん特有の哀愁を漂わせている。
本当にこのバンドに前座が務まるの? そう思ったその瞬間、バスドラの重低音が私の心臓を強く震わせた。まるで私の心を読み取って、『黙れ!』と言っているかのような威圧感。私はつい固唾を飲む。そして続けざまにギターの音が鳴り響き、ボーカルの男がシャウトする。
その瞬間に、私が見ていた世界は一変した。
~~~~~
「……おーい、エミ? 大丈夫?」
「……え!? 何!?」
リカに声をかけられ、私は意識がハッとする。
「はは、なにボーッとしてんだ?」
「え……? あれ、さっきのバンドは……?」
まるでタイムリープしたかのような感覚。いや、したことはないんだけども驚くぐらい時間が一瞬で過ぎ去っていた。もしかして気絶してた? いや、そんなことはない。確かに私はあのバンドのショーをしっかり見ていた。それは私の頭が鮮明に覚えている。
「あー、さっきのバンドある意味すごかったよね。私はちょっと合わないかなぁ~」
「ちょっとファン層が違う感じだったよな。他のお客さんもポカンとしてたし」
え? どういうこと? あの音楽に、何も感じなかったの……? 私もあれのどこが良かったのかなんて言葉に出来ないけど……。でも、なんというか……すごく心が揺さぶられた。今の私にはそれしか言えることがない。
「次、いよいよアザラシだよ! 楽しんでこー!」
「う、うん……」
リカがそう言うやいなや、会場の明かりが再び消えてSEが流れ始める。その瞬間に、会場のボルテージは一気に最高潮に達した。リカもレイヤも、目を輝かせてステージ上を見つめる。
いよいよ始まったアザラシのライブ。私はこの時を待ち望んでいた……はずだったのに。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます