第16話 相良油田ダンジョン

〜 2日後 朝 相良油田ダンジョン付近 ギルド管轄ビル前 〜



相良油田、それ日本三大油田の一つで太平洋側で唯一存在する油田であり、その希少な油田は実は静岡県にある。そんな油田だが現在はかなり昔に採掘をやめて油田の管理だけしていた施設なのだが…その近くにダンジョンが出現した。

元々ダンジョンってものは色んな形があるし、何なら国によってダンジョンの数も出てくるモンスターも違う、当然国によってはダンジョンが一つしかない国もあるのだが日本は各都道府県に3つずつ存在しているダンジョン過密国。そのおかげでダンジョンから手に入る物でかなり儲けており経済も潤っている。だからこそ厳格な管理と統治が求められている為に作られたのが国営迷宮管理組織【ギルド】であり、ダンジョンに入る為にはこのギルドの建物で身分証とダンジョンへの出入り許可証を提示して色々と手続きをした後に正式に許可された人だけがダンジョンに入れる仕様になっている。


「…はい、では初めてのダンジョンへの手続きはこれで終わりです。それでコレがゲートを開ける切符ですので無くさない様にして下さいね」


「どうも」


俺は入金する口座やダンジョンに行くまでのアレコレを聞いたりしながら書類を書き、それを手渡しで受付で渡すと代わりにプラスチックでできたパンチカードを貰う。

ギルドの建物は基本的に24時間体制。ダンジョンへの手続きやダンジョンから持ち帰ってきた物を預かって鑑定、買い取りの有無から入金まで建物内で完結する。しかも法律ではダンジョンで稼いだの金額の1割を税として常に納める代わりに年末調整などでいちいち記載しなくてもいい仕様にもなっているからありがたい。

今回ダンジョン来たのは勿論ヤマさんの依頼の為でもあるが…実は生活費を稼ぐ為に来たのもある。知ってのとおりケイ姉さんは現在戸籍どころか両親などの肉親や孤児院にいた記録も無いこの日本ではかなりヤバイ存在であり、故に自宅のある山から出られない。だから現在俺があげたノートパソコンで地獄との連絡手段を探しつつ一緒に生活している訳である。それ故にシンプルに生活費が2倍になった。だから中卒でも即金で金を稼げて、尚且つヤマさんの依頼を遂行し、ついでに獄卒の力の修行の為にこのダンジョンに来たのだ。


「んじゃ、行きますかね」


俺は受付でカードをもらうとそのまま建物を出てダンジョンのある方へ移動する。本来なら今出たギルドの建物内にある更衣室で装備やらを着替えれる更衣室があるのだが、今の俺には関係ない。それに服装は黒色のジャージ上下にパーカーと運動靴、そして…昔に拓馬さんからお下がりで貰った40キロまで入る白い背負い袋の形をしたカバン系統の魔道具にネットで買った常に周囲5メートルを明るくする小型のランタンの形をしたランタン系統の魔道具は既に装備済みだ。何もは問題ない。

だからそのまま俺はダンジョンに向けて歩いていき、そして5分後には現地に到着した。


「…」


そこはまるで名古屋駅の様な二つの塔が立っている場所であり、その塔の周りにはいろんなな人が沢山いて塔の入り口みたいな場所には受付で貰ったパンチカードを入れれば開くゲートに警備員が数人配置されている。

そんな人混みの中を俺はパーカーのフードを深く被ってからゲートに向かって進んでいく。


(あれは…臨時のメンバー募集か。それに…最新のカメラが付いた撮影用のドローンを飛ばして何か言ってる人もいるな、配信者って奴か?…あ、元クラスメイトだ…うわぁ、パーティーメンバーと揉めてやがる。何か配分がどうのこうの言ってるが…ま、関係ないな。うん)


俺が人混みを進んでいると、色んな人達を目にした。

ドローンに向かって話す配信者らしき人、臨時でメンバーを募集する人、ダンジョン中の地図を書いて売っている人に屋台などの出店に並ぶ人など様々だ。だが、やはり各都道府県にあるダンジョンは3つだと元クラスメイトにもで会うわけで…しかも、アイツ俺を虐めていた奴の取り巻きじゃん。うわぁ…希望校に行けなかった上に周りの人から煙たがれているとか聞いていたのに、まさかまだ反省が足りないのかよ…ダンジョンから持ち帰った物のリーダーみたいな人が均等に配分してくれていたのに食いかかって駄々こねてやがる。いい加減に大人になれよ…って、今の俺には関係ないな。下手に絡まれない様に更に深くフードを被り直してからゲートに進み、そしてゲートに到着してパンチカードを入れた。するとゲートが開き、中に入ると警備員さんからボディーチェックを受けて違法な物…麻薬などがないかを確認してもらってからそのまま俺は塔の中に入って行くのだった。



〜 相良油田ダンジョン 一階 〜


相良油田ダンジョンの塔の中はレンガの壁の迷路になっている、だから基本的には上に上がる階段を探す感じで進むダンジョン。更に階層ごとに必ず一つはある赤いモノリスに触ればダンジョンから出れる仕様だ。


「さて…こっちだな」


そんなダンジョンを俺は入ってすぐに迷わずに左の道に進む。すると右に曲がる道が見えてきだが、その道の先は行き止まりになっていた。俺は事前にネットでこのダンジョンの情報を三階まで入手している。だからいきなりの袋小路の道も知っていて…この場所なら獄卒の力を解放する瞬間を見られても大丈夫だと考えて来た訳だ。

だから俺はまず袋小路に入ってから後ろから誰にも見られてたりつけられてたりしてないか確認した後にパーカーを脱いで裏返す、実はこのパーカーはリバーシブルになっている。だから先程まで灰色だったパーカーは今は黒色に変わった。更に言うと今来ているジャージもまたリバーシブル仕様になっていて、黒色から赤色に変わる。こうすればもしダンジョン内で獄卒の姿を他人に見られても服のデザインは同じでも色が違うから他人と言い通せる免罪符になる。そんな俺は服装をキチンと裏返し、色が完全に変わっているの確認しなおしてからまた着直す。その後に俺はケイ姉さんから教わった通りに…お腹に力を入れ、その際にお腹の中にある違和感を感じ、それに意識を向ける。すると、俺の体は徐々に変化を始めた。

まず俺の尻から狐の様なオレンジ色の尻尾が生え、次に俺の両耳が消えてそこに髪の毛が生える。代わりに俺の頭上ら辺に同じくオレンジ色の狐の耳が生え、オデコには赤色で短く透き通った角が一本生えてくる。最後に右目が金色になり、両手の爪が赤色になれば変身は完了する。


「…あいっかわずこの姿だと匂いも音もいつもより感度が増すよな…でも、やっぱ狐耳と尻尾は恥ずかしい…」


この姿こそケイ姉さんから模倣された血を操り、狐と赤鬼の力を持った獄卒、血狐鬼の姿だ…って、やっぱりこの年の男子に狐耳と尻尾は恥ずかしいって…



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