第4話

蘭ちゃんは悩んでいた。

天界からその様子を見ていたサリーは、また蘭ちゃんを助けたいと思った。

大天使様にお願いして、サリーは再び地上に舞い降りた。


「どうしたの?」サリーが尋ねると、蘭ちゃんはため息をつきながら答えた。


「たくや君が好きなんだけど、たくや君は、ふうなちゃんが好きなんだって。

どうしたら、たくや君に好きになってもらえるのか、すごく悩んでるの。」


サリーは少し考えた後、魔法の香水を取り出し、蘭ちゃんにかけた。


「これで、たくや君はきっと蘭ちゃんのことを好きになってくれるよ。」


蘭ちゃんは少し驚きながらも、感謝の気持ちを込めて言った。


「ありがとう。」


サリーは天使の姿に戻り、しばらく蘭ちゃんの様子を見守った。

蘭ちゃんがたくや君に会うと、たくや君は嬉しそうに言った。


「好きだよ、蘭ちゃん♡」


蘭ちゃんは驚いて、少し戸惑いながら聞いた。


「ふうなちゃんは?ふうなちゃんが好きだって言ってたよね?」


すると、たくや君はしっかりと言った。


「好きじゃないよ。好きなのは蘭ちゃんだけだよ。」


でも、蘭ちゃんの表情は、どこか嬉しそうではなかった。

サリーはその理由が気になり、翌日蘭ちゃんに尋ねてみた。


「どうだった?」


蘭ちゃんは少し考えた後、答えた。


「たくや君が、私のことだけ好きだって言ってくれたけど…ふうなちゃんのことが好きじゃなくなったみたい。それが、私はちょっと…望んでなかったの。皆で仲良くいたいから。」


サリーはその言葉に、すぐに納得した。


「そっか。じゃあ、こっちの香水をかけたら、元に戻るよ。

たくや君が蘭ちゃんのことを好きだって言わなくなるかもしれないけど。」


蘭ちゃんは優しく微笑んで言った。


「それでもいいよ。私は、たくや君が幸せならそれでいいんだ。いつか、好きになってもらえたらいいなって、香水をかけた後のたくや君の反応を見て思ったの。でも、いろいろ親切にしてくれてありがとう。」


サリーは蘭ちゃんの言葉を聞いて、心の中で反省した。

蘭ちゃんは、本当にけなげで優しい子だ。そして、サリーは気づいた。


「私が間違っていたわ。」


サリーはこれから、人間の気持ちをもっと学びたいと思った。

そして、次に地上に降りた時には、蘭ちゃんに「友達になってほしい」ってお願いしようと決心した。


サリー、ドンマイ!

おわり


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