【連載小説】久しぶりの再会

遠藤良二

第1話 地味だったあの子が豹変

 ねえ、セックスしようよ。そう言い出したのは高校生の頃、同級生だった神山詩織かみやましおり、二十五歳。


 居酒屋で久しぶりに会い、合流して二人で呑んでいた時に言われた台詞。酔った勢いだと思うが、高校生の頃は地味な女子だった。いつも休憩時間には読書をしていて、友達という子はいなかったのではないか。


 今は茶髪に染めて夏だからか、露出の高い服と赤いミニスカートを履いていて、すっかり垢抜けている。正直、ムラムラした。それに、誘われたからというのもあり、詩織をラブホテルに連れていって抱いた。彼女は色っぽい喘ぎ声を出していた。僕はその声で欲情した。詩織に恋愛感情があればもっと強く欲情しただろう。僕の名前は新沼新太郎にいぬましんたろうというのだが、

「新沼くん! 新沼くん!」

 と僕に抱かれている間叫んでいた。

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