第23話 美女3人に囲まれて
夕飯を食べ終えると、
「おっにいちゃーん♡♡♡」
そしてすごく何か言いたげな含みのある愛らしい笑顔で俺を見つめてきた。
その笑顔があまりにも分かりやすくて、ふふっとなってしまう。
「ん。絵本、読もっか。じゃーん、こそどろにゃんこの新作と、はなちゃんはおねえちゃんっていう絵本だよ」
俺が
「えっ!! こそどろにゃんこの新作!?
そして待ちきれないとばかりに俺の手を引きながらソファーへと誘導して俺を先に座らせた。
相変わらずふかふかのソファにバフッと包み込まれるような感覚で身体を沈み込ませると、
しかし俺の胸に背中を合わせるのではなく、俺の肩に腕を伸ばして向き合うように抱き着いてくる。
「へへー。おにーちゃん、絵本買って来てくれてありがとうっ!!
そして俺の瞳を見つめてそう言ったかと思えば、ちゅっと俺の頬にキスをした。
……今の
なにより、懐いてくれているというのは嬉しいもので。
「喜んでくれてよかった。じゃあ、読み始めよっか」
そして俺の腕の中に
「へへっ♡ 楽しみ♡」
その仔猫のような黒目がちな瞳を可愛いなと思いつつ、なんとなく、
まぁ、
そんな時、キッチンに洗い物を下げに行っていた
「あ!! それ、もしかしてこそどろにゃんこの新作!?」
「待って。私も読みたい!!」
そして二人してうきうきした足取りでソファーに寄ってくると、俺の両サイドに座った。
膝の上には、
やっぱり俺は、
「えへへー。読んでもらうのもなんか新鮮でいいねっ」
わくわくとした無垢な瞳を俺に向けた後、照れたように視線を絵本に落とす
「……やっぱりこの角度の修吾、一番かっこいいかも」
それに対して、俺の顔を至近距離から見つめながらマジなトーンでそんなことを言って、たぶん無自覚に俺の腕に腕を絡めてくる
(う。なに? なんか、心臓が……苦しい。この苦しみは、何??)
そんなことを思いながら、俺は美女3人に囲まれたまま、ぎこちなく絵本のページをめくっていくのだった。
「きゃーん、かわいい!!」
「あ、出た! でぶにゃん!!」
「あっはは。相変わらずのドジっ子ー!!」
ページをめくるたび、3人は思い思いの感想を述べて絵本の世界を楽しんでいる。そんな3人の様子が愛らしくて、俺も楽しくて。包み込まれるような幸福感を感じる。
そして読み終わった時、
「ね、ね、もう一回!!」
「そんなに気に入ってくれたの?」
「うん!! すーっごい気に入っちゃった♡」
俺の膝の上で楽しそうに弾んで絵本の方に身を乗り出す
◇◆
「あれ?
「ん……ねむい……」
絵本を読んでいると、
そして、ふと俺の方へと身体を向けると、そのまま抱きついて俺の肩で静かな寝息を立て始めた。なんとも甘えるのが上手いなぁと感心しながら、その重みを感じる。するとゆっくりと沈み込むようにその重みは増していき、ぷにっと柔らかな頬からは温かな体温がじんわりと伝わってくる。
さっきまであんなに元気だったのに、もう規則的な寝息を立てながら無垢な寝顔を見せる
「修吾君、今日も……ごめんね?」
「いえいえ。部屋……連れていきましょっか」
申し訳なさそうな上目遣いを俺に寄せる
「じゃーあ、忘れてた洗い物は、私が片付けちゃおっかなーっ!」
こんな時、清々しいくらいに率先して雑用を引き受けてくれるところがなんとも
「悪いな、
「ごめんね、
俺と
そして笑顔で両手を振る
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