第4話:ピンク覚醒、悪鬼征伐!

 「君がブルーの青葉清丸君か、宜しく頼むよ♪」

 「はい、宜しくお願いします♪」


 テンセイベースで博士と握手する清丸。


 「青葉君で三人戦隊だね、赤羽君♪」

 「信号機カラーが揃ったな♪」


 黄河さんとハイタッチする。

 前回のワカレーナ事件の時に彼女がいなかったのは理由があった。


 「タタキアン、幹部以外にも怪人を出して来たんだよ!」

 「マジで? 一人で大丈夫だったの?」


 黄河さんの言葉に心配になる、好意を寄せる女子と戦えなかったのは残念だ。

 黄河さんの方が格闘技は強いとはいえ、守りたい。


 「まあ、今後は分散と集中を使い分けて戦って貰いたい」

 「「了解です!」」


 俺達は博士の雨で黄河さんをセンターに、信号機並びで整列して返事をする。

 三人編成で戦隊ができるぜ♪


 「そう言えば、清丸君の前世って何があったの?」

 「そうそう、俺が勇者で黄河さんが断罪令嬢で清丸は?」


 俺達は清丸に尋ねてみる。


 「僕の前世は、中華風世界の文官だった馬術と書道が得意なのは前世譲りかな♪」


 その後は君達と同じだと、投獄されて死に世界は滅ぼされたと清丸は語る。

 前の戦いから恋愛関係の破局もあったんだろうけれど、そこは聞けねえな。


 「そうそう、我々のチーム名だが勇者戦隊テンセイジャーで行く」


 博士が俺達のチーム名を語る。


 「えっと、俺達が転生者でレンジャーだからテンセイジャーか?」


 俺はチーム名の由来を考えてみる、そんな所かな?


 「勇者って、響きが良いな~♪ ゲームみたい♪」

 「黄河さんはゲーム好きだよな、僕も了解です」


 黄河さんは嬉しそうに、清丸はあっさりと受け入れた。

 かくして、現状は三人戦隊からテンセイジャーは始める事となった。


 「そう言えば俺達にロボはあるんですか、博士?」

 「灯希、ロボ好きだよな?」

 「そうだねえ、ロボットがあるなら乗ってみたいけれど免許取らないとね?」


 黄河さんが免許の事を言う、そうだロボも免許がいるんだった!


 「勿論、予算も含めて準備中だ。 会社で費用は出すから、各自免許は取っておいてくれたまえよ?」

 「う、学科試験と苦手っす!」


 ヒーローの力は手に入れたけど、勉強できる子になれたわけじゃないのが辛い。


 「仕方ない、部活の縛りが抜けたから皆で試験勉強だな」

 「宜しくお願いします!」

 「そうだよね、勉強しないとだよねえ?」

 「灯希だけでなく黄河さんもか? 不安だな」


 学力低い組の俺と黄河さんは、清丸に不安がられた。

 鳥頭の灯希と言われていた事を思い出すぜ。

 だが、巨大ロボの免許は取って見せるぞ!


 「基地で勉強しても良いから頑張り給え、工場とも打ち合わせをせねば」


 博士が神妙な面持ちで呟く。

 この人、博士に社長にと本当に仕事し過ぎではなかろうか?

 ちゃんと休みも取って欲しい。


 翌日。

 昼休みに赤青黄色の三人で中庭で弁当を食っていると、きびちゃんがやって来た。


 「先輩達、一緒って事はもしや?」

 「ああ、僕もブルーになったんだ♪」

 「初めまして、黄河です♪」

 「あ、自分は桃田黍子って言います♪」


 きびちゃんが黄河さんに挨拶する。

 そして、持っていた唐草模様の風呂敷を開けてタッパウェアを取り出した。


 「先輩達、黍団子いかがっすか?」

 「先払いか? 引き受けるぜ♪」

 「美味しそう、いただきます♪」

 「久ぶりにいただこう♪」


 俺達三人は、黍団子を貰う。

 鳥と虎と馬だが、まあお供にはなれるだろう。


 「食べたっすね? じゃあ、力を貸して欲しいっす♪」

 「良いよ♪ そして美味しい、何処で買えるの?」


 黄河さんが目を光らせる。


 「う、家の店っす! 買ってくれるなら嬉しいっす?」

 「黄河さん、きびちゃんが引いてる!」

 「桃太君、何かあったのか?」


 清丸がきびちゃんに尋ねる。

 黄河さんは知らないが、きびちゃんが実家の団子を俺達に差し出すのは助けを求めるサインである。

 桃太郎のお共募集と同じだ。


 「俺達にって事は、ヒーローが必要な案件?」

 「うっす、何と言うか悪の組織的なのが近辺に出てるっす!」

 「っで、ヒーロー学校行ってるから誰か来てもらえと?」

 「そうっす、ついでに店の宣伝や手伝いもお願いしたいっす!」


 団子に夢中な黄河さんと、呆れている清丸に変わり俺がきびちゃんの話を聞く。


 「二人共、行こうよ♪ 美味しいお菓子は正義だよ!」

 「ひ、ひいっ! 何か黄河先輩こわいっす!」

 「うん、桃田屋は団子におはぎに饅頭にとお世話になているからな」

 「おう、地元の銘菓の店だし守って見せるぜ♪」

 「あ、あざま~~~~っす♪」


 俺達はきびちゃんの助けになると約束した。


 「それはそうと、赤羽君と青葉君はお金ある?」

 「どう言うこと?」

 「そうか、差し入れ用の爆買いか!」


 黄河さんの質問の意図に清丸が気付く。


 「なるほど、うちの会社や各所に配って宣伝か!」

 「地元民の僕と灯希じゃ思い付かない発想だね」

 「え、お買い上げっすか? 黄河先輩、神っす!」


 黄河さんがノリノリであった。

 放課後、俺達四人は緋色町ひいろちょう駅に降り立つ。


 駅前の商店街の入り口近くにある桃の看板の二階建ての店、立地は良い。


 「ただいまっす~♪」

 「ごめん下さい、黍団子二十箱お願いします! 領収証の宛名は前株でスピリタステックで!」

 「いや、いきなり注文かよ黄河さん!」

 「会社の領収証って、どういう事?」

 「ガチで注文が来たっす!」

 「ま、毎度有り~~~♪」


 入るなり黄河さんが呪符の如く万札を取り出して素早く注文をし、店の人が対応。


 「……う、売り切れたっす!」

 「う、売り切れだと~~~! ふざけんな!」


 唖然とするきびちゃんと俺達の後ろから怒声が響く!


 「お、鬼の怪人?」

 「ち、外に追い出さねば!」

 「キープお願い、テンセイチェンジ!」


 突如現れた赤鬼の怪人に素早く踏み込み、猛虎硬爬山を叩き込んだイエロー!

 いや、これはもう倒せたんじゃ?


 俺と清丸も変身する中、きびちゃんの元にピンク色のテンセイブレスが飛んで来た!


 「思い出したっす! 鬼の怪人に私は恨みがあるっす! テンセイチェンジ!」


 きびちゃんが犬モチーフのピンクのヒーロースーツの戦士へと変身した!


 「え、桃田さんも転生者なの?」

 「いや、イエローは戻って来るのも早いな?」

 「まったくだ、そして四人目が知り合いだとは思わなかったよ?」


 ブルーの言葉に俺も頷く。


 「おのれ、タタキアン強奪隊長のロウゼッキー様をなめるな~!」


 イエローに駅前広場まで吹っ飛ばされた怪人が立ち上がり叫ぶ。


 「今が大事、鬼退治! 商売繁盛、気分は上々! テンセイピンクっす♪」


 前世の内容はわからないが、ピンクが韻を踏んで名乗る。

 お店の人も店主の娘が変身して驚いてるよ。


 「ワンワンガントレット、装着っす♪」


 両腕に犬の頭のガントレットを装備したピンクがツッコム。

 犬頭で拳闘とダジャレじみた武装だ。


 「よし、ピンクは俺が援護する! ブルーとイエローは店を頼む!」

 「「オッケ~!」」


 俺はフェニックスカリバーを持ち後を追う。


 「しゃらくせえ、舐めるな犬っころ!」

 「喧しいっす! ワンワンコンビネーションっす!」


 ロゼッキーの金棒での一撃をジャブで止めて払い踏み込むと、連続ジャブからストレートを叩き込むピンク。


 「ぐふ、がはっ! くそ! 俺が押されてるだと?」

 「今の自分は、ブルファイターっすよ!」


 格ゲーみたいにボコボコ敵を殴るピンク。


 「ふざけんな!」


 ロウゼッキーが全身から放電、ピンクが電撃に打たれて止まった所を殴り飛ばす。


 「あぶねえ、フェニックスリバイブ!」

 「はう! 生き返ったっす♪」


 俺がピンクを受け止め、生命エネルギーを注ぎ込み回復させる。


 「よし、止めは任せろ♪」

 「お願いするっす♪」


 俺とピンクは選手交代でロウゼッキーに立ち向かう。


 「今度は赤い鳥野郎か! 喰らえ!」

 「悪いな、炎は俺のエネルギーだ!」


 ロウゼッキーが口から火炎弾を放つが、俺は自ら当たりに行き吸い込む。


 「馬鹿な、俺の炎が奪われただと!」

 「業火の刃で報いを受けろ、フェニックスカット!」


 俺は剣を横薙ぎに振るい、ロウゼッキーの首を切り落とて倒す!

 背後で起こる敵の爆散。


 「や、やったっす♪ 流石先輩っす♪」


 ピンクが喜ぶ、こうしてピンクが覚醒して俺達は四人になった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る