第5話  資金調達

結局ギルドでは、情報が得られなかった。どうやら今は魔物の討伐クエストはないと言う事だろう。その事は良いことだ。さて、どうしたものか。

とりあえず冒険者登録をしたのだ。何か依頼を受けてみるのもありかも知れない。

町の見回りとか薬草集めなどの依頼が多分あるだろう。

それによく考えてみたら、今の僕は無一文だ。これからの事を考えたら生活するためのお金が必要だろう。


僕はもう一度ギルドに立ち寄った。そこで、受けられるクエストがないか尋ねてみた。

先ほどの女性職員が対応した。


「こちらの薬草集めはどうでしょうか。難易度が低いので初心者の冒険者にはいいと思います。」


僕はこの依頼を受ける事にした。

報酬額が120ゴールド。まあまあいいんじゃないか。知らんけど。

採取場所は問わないので、近場でもいいだろう。




町を出て少し歩くと薬草の群生地を見つけた。


「種類は問わず、薬草をありったけ集めてこいと言うクエスト内容だから楽でいいな」


僕はひたすら薬草を採取し、ギルドから配布されたカゴに入れた。

簡単すぎるな。これでお金が貰えるのか。

もっと早くにやればよかったなと思いながら作業していると、誰かから見られているような殺気を感じた。

僕はすぐさま、作業を中断し身構える。

ギルドによると魔物による被害は無いと言っていたが。 

いや、まだ魔物と決まった訳では無い。決めつけは良く無い。

だが、魔物だった場合戦闘になるだろう。

だから、迂闊に動けない。相手の出方を探る。ただそれだけに集中する。



数分が経過しただろう。硬直状態だ。このままでは埒があかない。

どうする。動くか。

そう思った矢先、矢が僕の頭目掛けて飛んできた。矢が僕の頬をかすった。


「ちっ、魔物か。」


僕はすぐさま戦闘体制に入る。 

魔物が草むらに隠れて移動する。接近してるようだ。


「とことんやるつもりだな。良いぜ。

やってやるよ。」


相手の出方をさらに探る。弓使いは明白だ。

だが、他にも武器があるかも知れない。それとも魔法を使うかも知れない。

大胆な行動はできない。

次の瞬間、僕の背後から魔物が飛び込んで来た。

僕はそれを間一髪でかわし、拳で反撃した。がしかし、対して効いてない。

次の攻撃に備える。魔物はすぐさま草むらに隠れる。

どうやらヒットアンドウェイに徹するらしい。


「やりづらいな。魔法は極力使いたく無い。」


魔法使いにとって一対一での魔法の使用は、極力避けたい。

何故なら、魔法使いの弱点は魔法を使う瞬間だ。

その瞬間、どれほど優れた魔法使いであろうと隙が生まれる。

その瞬間を突かれたら、負ける。魔法使いは剣士と違って接近戦は強くない。

だから、魔法は使わない。魔力による身体強化だけで乗り切る。


「次はどこから来る。(次姿を現した時が、お前が死ぬ時だ)。

渾身の一撃をくらわしてやる。」


集中しろ。音を聞き分けろ。魔力で感じろ。 

五感で感じろ。………………………そこだ。

僕は拳を振り下ろし、全力の一撃をくらわせた。

その瞬間、鈍い音がするとともに血飛沫が舞いがった。

どうやらタイミングは完璧だったらしい。魔物の脳天を直撃している。

そのせいか、魔物が原形を留めていない。内臓も飛び散っている。

力を込めすぎたか。魔物の種類の判別に手こずるな。

何もともあれ、一件落着だ。

多分だが、この魔物はゴブリンだ。特徴が一致してる。

魔物でも比較的人に近い外見で、背は低く肌の色が緑。

しかし、ゴブリンは群で行動すると聞いたけど。こいつは違ったな。

ゴブリンの中でボッチとか存在するのか。

まぁ、そんな事は今どうでもいい。 

ゴブリンは等級では4級。今回の件で、4級の魔物は倒せる事が分かった。

顔の頬にケガしたけど。 

それにしても、この死体どうしよう。………放置でいいか。処理するの面倒くさいし。

それに早くクエストを終わらせて報酬を受け取らないといけないしな。

うん、そうしよう。





町に帰りギルドに寄る。報告したら報酬はすぐ貰えた。120ゴールド。

町の宿で一泊したら全額飛んでいく額だ。まぁ、ないよりマシだ。

この調子で資金調達していくか。


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