第18話

あの容れものが“死骸”であることを、担任の、だいたい同じ台詞で、初めて認識する。




またやってしまった。


もうやらない。


やってはいけないこと。


フツウの人はしないこと。


だけどわたしはフツウの人だ。


フツウなはずだ。




そう思う自分とすべてどうでもいいと思う自分。どちらもわたしなんだけれど、まるで感情が手の届かない遥か先へ、もしくはずっと後ろのほうに落としてきたような感覚。


感情を探して周りを見渡す行為は、すこし、疲れてしまう。



なんでだろう。


いつから、何が理由で、どうして。




「そら、今日の放課後空いてる?買い物行かない?」



朝から放課後の話をはじめたミナに、なぜかほっとしたような気持ちになる。



「うん。何か欲しいの?」


「彼氏の誕生日プレゼント買いたくて。ほら、前にそらがあげたもの、満実先輩がよろこんでたの知ってるからアドバイスもらいたいなーって」



良いなあと、純粋に思う。


同時に、さね先輩が笑っていた日々も浮かんできた。



懐かしいと思い出として馳せるにはまだ浅くて、清算できない過去がただ羨ましくなる。




今日はやらない。


ミナと買い物に行く。



だけど、本当は、やりたい。

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