第3話
肩から下が外れた鳥を想像したら本当に気持ち悪くなってきた、という新しいサボりの言い訳を作って保健室へ行くとさっきまで女子更衣室で噂されていた人物が窓際にいた。
如月初雪が2年の冬に転校してきてから同じクラスだけれどあまり話したことがない。話しをする理由がないからだ。
前の学校で執拗にいじめを受けていたらしく、ストレスで髪が真っ白。まあこれも本人が言ったわけではなく噂だけれど。
そんな噂をされるなら、本当のことを話せるくらいの友達を作ればいいと思うし、髪だって染めたらいいんじゃないかな。そうしないのはこのひとの落ち度だとわたしは評価している。
おまけに右目が黒くて左目は赤茶のオッドアイ。なんでも、幼い頃に親の恋人の男に殴られて目の色が変わったらしい。はたまた強大なエネルギーを隠し持っていていつか人類への復讐のために使うらしい。
視力も0.7と0.1。視力は学校でやった健康診断で発覚したから本当のこと。オッドアイに関しては厨二病から抜け出せない人たちが考えた作り話だろうけれど。
「鳥羽さん、また体育休んだんだね」
ミナや他の人たちは、如月初雪の声を聞いた記憶がないらしい。
わたしだってあまり喋らないけれど、この、妙に耳触りの悪いあどけない声色は、一度聴いたときから何故かどこかで記憶している。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます