第16話
なのにドアが閉まる音は聞こえなく、光の差し込む入り口から細くて長い骨ばった手がドアをガシッと掴む。
悠成「悪い……聞くの忘れてた。明日は休日だろ、引きこもりのお前が家から出るのは珍しいな。どこの誰と遊びに行くんだ」
治「あかりて言う子と柚って言う子の家に遊びに行くんで大丈夫ですよ」
悠成「……男はいないよな」
治「女子会なんで、居ないですよ」
悠成「……そうか、ならいい。帰りは遅くなるなよ。もし遅くなるなら連絡しろ。迎えに行くから」
治「大丈夫ですよ、ちゃんと連絡何時もしてますから」
悠成「まぁそれもそうだな」
治「じゃあ本当におやすみなさい」
悠成「治」
治「悠成さん?」
悠成「いや、何でもない。暖かくして眠れよ」
ちゅっ……―――。
急に首の後ろを捕まれ、引き寄せられ頭の上に軽いキスを落とされる。
治「……こういう事するの、前に嫌だって言いましたよね、悠成さん」
悠成「そう苦しそうな顔をするな。別にいいだろ、許嫁なんだからな俺達。それに、もう4月には婚姻届も出すだろ、今から慣れておけ」
治「私はッ……」
悠成「今日はもう早く寝ろ、俺も疲れた」
悠成さんは何時だって私の本当の気持ちを聞いてはくれない……。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます