cigarette chocolate ~年上2人の出会い編~
第18話
升「それって何?」
直『ん?シガレットチョコ』
増「今年はどこのメーカー?」
直『へへー、ちょっと奮発しちゃった。オランダのやつ!』
升「え?何、毎年買ってるの?」
直『ふふっ』
増「オランダかぁ。兄さん喜ぶね」
直『どうかな』
とか言って、チャマさん超嬉しそうじゃん。でもどうしてわざわざそんなものを?
チョコレートなら、チャマさんが作ったでっかいケーキとトリュフのやつがあるのに。
秀夫くんのそんな疑問が顔に出ていたのでしょう、ヒロ兄がくすっと笑いました。
増「これはね、兄さんとチャマの思い出の品なんだよ」
升「これが?どうして」
直『もう、ヒロぉ~!変なことばっか覚えてんなよ!』
増「え、なんで?チャマも兄さんも、これ食べる時はいっつも…」
――ガラガラッ。
――ただいまー。
直『あ!藤くん帰ってきた、おかえり~!』
増「逃げられたか…」
升「ね、どういう意味?」
増「あぁ、うん。教えてあげるけど、チャマたちには内緒ね?」
升「わかった」
増「兄さんとチャマは高校の同級生だったんだって」
升「それは聞いたことあるよ」
増「でもさ、高校って一学年に何百人もいるし、クラスが違えばほとんど接点とかないじゃない」
そっと顔を近づけて内緒話を始めるヒロ兄にちょっとドキッとします。
温かいお茶とケーキ。
家全体を包みこむチョコレートの香り。
ヒロ兄17歳、秀夫くん13歳。
今日は、彼がこの家に来て初めて迎えるバレンタインデーです。
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