第14話
直『っ…ひ、ひでちゃ…!?やぁっ、あ、やだっ…』
升「うるさい」
ベッドへ勢いよく押し倒した。
チャマの髪からかすかに漂ってくる香りが、目にしみるようだった。
空回る気持ち。
足りない言葉を埋めるような、乱暴な情交。
直『ひ、ぅあっ…いやだぁっ…痛いっ…』
升「…すぐ良くなるだろ」
無理をさせているのは、百も承知。
その首筋に赤く跡を残す。
いつもだったら決してしないことだが、今日は特別。これは所有の証だ。
自分の気持ちが制御できないままチャマの口を塞ごうとした時、携帯の鳴る音が聞こえた。
升「…っ、おまえの、か…?」
答えはなかった。そんな音は聞こえないかのように涙を浮かべて、行為に没頭するチャマ。
純粋?とんだ茶番だ。
でも、それしか今の俺たちを繋ぐものはない。
直『ぁあん、や、はぁ…ごめんなさっ…き、もち…いい、っ…』
謝りながらも感じているそぶり。
こいつはきっと、「俺が全て気づいている」ということに気づいてる。
直『ん、んんっ…あ、それっ…やめてぇ…ぁあ!』
升「ダメ。俺はしたい」
俺の名前は、呼んでくれないのか。
升「はぁっ…よ、しふみっ…」
直『あぁん…は、すごい…!もう、許してぇ…っ』
そんなに集中して。本当に俺のことが大事なのかよ?
おまえにとって一番大事なのは、何なんだよ?
直『っぁ、はあっ…ダメ、もぉ…!』
升「…っ」
直『あぁっ…ごめんなさい、ごめんなさっ…!!』
升「…チャマ…!!」
―――携帯が鳴りやむ気配は、ない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます