第30話 目撃情報を頼りに捕縛成功
専用スレで中国人ハンターの目撃情報を募ったところ、真偽は不明だがたくさんの目撃情報が寄せられた。
その中には、「工事休止中の建物に入る怪しい人影を見た」や「歓楽街の裏通りでそれらしい人物を見た」など、人目につかず隠れ潜むのにうってつけの場所が何個かあった。
俺一人で捜索するなら、そういう場所の方が捕縛しやすい。どこかに匿われている中国人ハンターがいたとしても、俺は警察官ではないので、令状も証拠も不十分で門前払いされるからだ。
そして、そういう場所の中から同じような内容の投稿が多いモノを選び、さらに俺の自宅から比較的距離が近い場所となると…三箇所か。
再度言うが情報の真偽は不明なので、俺はあまり期待せずに一番近い場所から向かうことにした。
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「…ここだな」
到着した場所は、工事休止中の現場だ。ほとんど完成間近という建物があり、工事休止中の看板が掲げられて、鎖が引かれて立ち入り禁止になっている。
「情報は正しかったようだ。建物内に二つの気配がある」
流石にこの気配が現場作業員や現場監督ではないだろうと思いつつ、鎖を跨いで敷地に侵入する。
本来は絶対に真似しちゃいけない行動だが、今回は大目に見てもらおう。
敷地に入ってから【神隠】で姿を消し、建物内を疾風の如き速さで駆け抜け、気配のある場所に到着する。
そこでは、明らかにハンターだと分かる格好の二人が、背を壁に預け眠っていた。
「
【弱化魔法】で魔力吸収し続ける拘束具を具現化させ、二人の身体を捕縛する。二人ともAランク相当の実力者だが、俺の拘束具からは抜け出せない。
これで安全にハンターギルドまで連行できる。俺は未だに眠り続ける二人を両脇に抱え、ハンターギルドに向かった。
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「ご協力感謝いたします。松原ハンター」
「いえ、気にしないでください」
ハンターギルドに到着した俺は職員に取り次いでもらい、絶賛デスマーチ中であろうギルド長に無理言って時間を取ってもらった。
それで両脇に抱えていた情報源の二人を引き渡したところで、ギルド長が深く頭を下げた。
「戦場には中国人ハンターの生き残りがいなかったので、本当に助かります。これで今回の襲撃について、詳細な情報が得られるでしょう」
「その後はどうなるんですか? 中国に対して声明でも出すんですかね?」
「それは…難しいでしょう。相手はハンター大国の中国ですから、我々が何を言っても無視されるだけかと」
「そうですか。俺と戦った奴も言ってましたが、中国はSランク以上の実力者が結構いそうですもんね」
「事実その通りです。なので我々にできることは、襲撃方法の究明と対策を考え、二度と同じ轍を踏まないことです」
「そうですね。襲撃方法はおそらくスキルかアイテムによるモノだと思いますが、結果が分かり次第、俺にも共有して頂けますか?」
「分かりました」
「あと二箇所ほど回ってきますので、捕縛に成功したら受け渡しに来ます。情報源は多い方良いと思うので」
「ありがとうございます」
「では、失礼します」
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