第6話
ついに、その日がやってまいりました!
異世界交流と相互理解のための壮大なる戦いの祭典、「ユニバース・コロッセオ」の開幕です!
会場となったのは、エデンディアの中心部。
白く輝く未来的なドーム型のスタジアムで、内部には最新の防御フィールドと、どんな環境も再現できるというホログラム装置が備え付けられています。
観客席は、エデンディアの住人たちと、物見高い異邦者たちで埋め尽くされ、始まる前から異様な熱気に包まれておりました。
「いやはや、このような素晴らしい催しを開いてくださるとは、感謝の言葉もございませんぞ!」
「ふん、大会は始まったばかり。本当の戦いは、これからよ」
賢者さまはニヤリと不敵な笑みを浮かべました。
その目が、少年のようにキラキラと輝いているのを、議長じいは不思議に思いました。
ファンファーレが高らかに鳴り響き、いよいよ選手入場です!
各ゲートから、時代も世界観も違う、様々な異世界の代表者たちが、それぞれのテーマ曲(JASRAC許諾つき)と共に、続々とコロッセオへと姿を現します。
「いやはや、壮観じゃのう!これほど多様な方々が一堂に会するとは!」
議長じいは、そのカオスな光景に、ただただ感心しておりました。
「うむ。なかなか良い顔ぶれが揃ったではないか」
賢者さまは満足げに頷いています。
「さあ、だれが一番、わしの心を震わせる戦いを見せてくれるか、楽しみだわい」
第一試合が始まりました。
リングに立つのは、盾を構えた少女と筋肉ムキムキの蛮人!
少女はいかにも痛いのが嫌そうな動きで、蛮人のグレートなソードを盾で防御。
そして、いきなり毒々しい粘液を発射。
蛮人は猛毒に苦しみあっけなく戦闘不能に。
議長じいは開いた口が塞がりません。
「ほほう!実に面白い!常識や定石にとらわれん発想、嫌いではないぞ!まさにノールール!」
賢者さまは意外にも大興奮のようでした。
第二試合は、青いスライムと、シンプルないで立ちの騎士。
えっ!まさかそんな事が!?
青いスライムが魔王に変身するなんて!
魔王に変身した元スライム(または社畜)は、様々な特殊能力で騎士を圧倒します。
激しい戦いが終わり、勝利を収めたのはやはり魔王。
魔王が騎士に「国を授けたい」ともちかけます。
騎士はそれを断り、美しい金髪エルフと共に、自由な風を残してリングを去っていきました。
その後も、様々な異世界の代表者たちが、それぞれの能力や文化をぶつけ合い(あるいは、まったく噛み合わないまま)、珍妙きてれつな試合が続きました。
平和ボケしていたエデンディアの観客たちは、最初は戸惑いながらも、その奇想天外で、予測不能な戦いの連続に、次第に引き込まれていきました。
「すごい!」
「面白い!」
「次はどうなるんだ!?」
いつしか熱狂的な声援を送るようになっていたのです。
議長じいも、最初はよく分からないことばかりで困惑しておりましたが、隣で楽しそうに、もっともらしい解説をする賢者さまの話を聞いているうち、なんだか自分も楽しくなってきてしまいました。
「いやはや、賢者さま!実に素晴らしいですな!皆、生き生きとしておる!これぞまさしく、平和のための魂のぶつかり合いじゃ!」
「うむ。まあ、まだまだ序の口だがな」
賢者さまは、不敵な笑みを浮かべました。彼の本当の「仕掛け」は、まだ始まったばかりだったのです。
エデンディアに吹き荒れる、異種格闘技ならぬ異世界格闘技の嵐!この祭典は、一体どこへ向かうのでしょうか?
議長じいの最初の心配は、もうすっかりどこかへ飛んでいってしまったようでありました。
ほっほっほ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます