第5話
「あんた誰なんだ?」
キメヨとそっくりなあのおんなは私の質問に何も言えずにただ微笑んだ。相手の方から何も言わないから一人で考えることしか気がかりを解消する方法がない。キメヨに姉妹がいるという話は聞いたことがないけど、そもそも家族がいたのか?今まで両親や兄妹のことは何も聞いていない。家族に関する話題だとしたら大体私がキメヨに一方的にするだけだった。しかし、他人としては本当に似ている。 胸はキメヨの方が少し大きいが、あちらは何と言うかそれを満たす大人の魅力が感じられる。
「君が静期ゆうちゃんなのかい?」
「そ、そうです」
年齢はあんま離れてないと思うけど雰囲気だけで圧倒されて珍しく敬語が飛び出た。あの人だって私と似た黒髪だが私より濃い真っ黒な髪。服はうちの学校の制服でもない黒いスーツ。特にズボンの着こなしが脚線美と調和し、良い形を作る。こうして見るとこいつキメヨより背が高いのか。
「そんなに怯えないで、別に苛むつもりはないんだ」
「……怯えてないし」
私なりに強く言い張ってみるけどまったく説得力がないだろう。何よりもまともに目を合わせなくても視線はしっかり感じられるが、肌で感じる視線が私の心の底までも見抜いてる気がした。
キメヨが光の方のイメージだとしたらこの女は闇って感じかする。暗い気を持ってこんな魅力的なんてひどいじゃないか?陰の属性までこんなオシャレな女が持っていくと私はどこに属せばいいんだ?
「そういえば人間の社会では初対面の人と遭遇すると名前から教えてあげるべきだったかな」
闇属性キメヨ的な女は紳士的な挨拶の振る舞いを見せたから語る。
「あたしは夜内(よるち)マヨイっていうんだ。キメヨとは人間の文化に例えるなら双子みたいなものかな」
「苗字が違うんじゃないか、しれにキメヨに双子の姉妹があるなんて初耳だが」
「ふふっ、そんなに自分がキメヨの全てを知っているって自信するのかい?かわいいね」
私はもうこんな女にまでからかわれるのか。 ついさっき、キメヨの真似をした時はまったく同じだったが、そうでない今は似ているようかにしながらもまったく違う。 笑う時の癖とか、表情の微妙な差とか。 本人を前にしてすまないが、夜内と名乗ったあの女は少し気味がが悪い。
少し腹が立つが的を射た。 キメヨはすべてを知っていると自信できるのか私は。 彼女は普段から自分のことをあまり話さないので、私が知らないことがあっても不思議ではない。 いや、むしろ当然にも思える。
「それに苗字なんてどうでもいいじゃないか、人間には大事なものかも知らないけどあたし達には社会雰囲気に合わせて適当につけたものなんだから」
「だったらそうとして、何故ここにいるんだ」
ヨルチはこっちをじっと見ている。 すごく露骨に見じろじろている。 わ、私のどこを見ているんだ?やたら縮めてしまう。
「あたしはただキメヨちゃんの監視係りできたんだ。だからあたしのことは気にする必要ない」
「監視係り?なんのことだ」
キメヨの話を察すると、彼女はこのテストを進行させる役割を勤めてるようだが、そこに監視が必要なんかあるのか?もちろん、ずっと連発した慌ただしい状況については規制が必要だとは思うが……
これはあくまでも私の勘だが、あの女はそんなことはどうでもよさそうな雰囲気だ。
「初めてだよ、進行役に親しい人がターゲットに決まるのは。 普通は事前監査のためにその社会にまざったとしてもその中で他人と呼べるような人に決めるんだからね」
「そうだったのか?」
私の場合は周りに誰もいない時に突然こんなことが次々と起こったなら、自分が狂っていると思って引きこもったんだけどな。
「それに全部暴いたりまでするからそろそろ公平性が乱れるんじゃないかという話が出てきて私が来ることにしたんだ」
キメヨがわがままなのは私だけに限られてる話ではなさそうだ。まったく、手間が掛かる女だな。
「でもここまで来たから君みたいな可愛い子との出会いも出来たんだ。あたしは嬉しいよ」
くっ、キメヨみたいな声でそんなことを。わざとしてるのか、あのしなやかな声は耳に入ってきて頭の中全体に響くような感じだ。
「でも心配だね、ゆうちゃんみたいな純粋な子にキスなんかできるかな?人間は初めてに拘りあるんでしょ。初めてのキスが愛のないものだなんて、傷つくか心配だよ」
「なんで当然と私がやったことないという前提で話すんだ。キスくらいはしたこたあるし」
「おや、はったりなんてしなくてもいいのに」
「本当だって……」
淑やかにに見えて実は乱れている、という反転などない。そんな猫被りできたならキメヨにからかわれたりしないだろう。 本当に'キスだけ'してただけだ。 それ以外には女とそれらしい触れ合いなんてしたことない···正直に言うと、キスだって潔く言える形にしたわけではない。 だから普段は自分から先に話さない方なのに、あの女が当然のようにしていないという前提で話を進めるからかっとなってつい。
「なら気軽くできるのかい?それはよかった」
初めてじゃなければ軽くできると思うのか、この女性は。 普遍的に初体験を大切にするところだけが強調されるから夜内もそれで人間を学んだだろうし、学んだ部分以外には、じゃあ他のことはどうでもいいんだと思ったのかもしれない。 ファーストキスをしたからといって、『やった!もうあらゆるの唇ちゅっちゅうしちゃお』になるわけではないのにな。
「キメヨはこのテストを受けたことあるみたいに言ったけど、あんたもなのか?」
「ええ、監視係りで来れるのは皆そうなんだからね」
「これは神に匹敵する存在が受けるテストだと聞いた。じゃあそのテストに受かったということは、あんたもキメヨも神様という意味なのか?」
夜内は面白い冗談でも聞いたかのように爆笑した。ふざけてるつもりじゃなかったけど。
「テストの一つを受かったくらいで神なんてなれると思ったのかい?」
「でも、重要なテストどって……」
「人間も受験を大事に思うけど、受験で受かったからといって『私今すぐ総理になれるんでしょうか?』とは言わないじゃないか、そんなことだよ。このテストで受れば他のもっと重要な難関に挑戦できる機会が与えられるだけ」
「そんなことはどっちもどっちか……」
神に近い存在だからといって、そのように悠々自適に生きるのではないか。 違いといえば、人間は人々の間でより良い自分になるのを誇りにしてそのために努力し、彼らはすべての存在を含めて最も優れているために努力するのだろう。
じゃあ僕は?分からない。 上昇欲求がないというか、自分で何をしたいのかもわからないというか。 こんな中でも時間は流れてあっという間に大人になっているのにな。
「あっ、あたしはそろそろ行かなきゃ。じゃあゆうちゃん、頑張って」
「私が頑張ることなんてないじゃないか」
変な状況に巻き込まれるのは確かに疲れるが、これもすぐに慣れるだろう。 それなら、あとは適当に女の子達のハーレムを楽しんでから一人決めてキスすればいいのではないだろうか。
「そんなこと言わないで、ゆうちゃんは一番大事なやくめい役があるでしょ?」
夜内はゆっくりとした動きで私のすぐ前まで近づいた。紳士靴特有の足音が、より大人げな雰囲気を作り出す。
「自分の全てを捧げるんだから」
「全て…?」
「じゃあまたね♪」
夜内は私の頬にキスしてから一瞬に消えた。 並みの人は目の前で人が消えたという点で驚くだろうが、私は別の感覚を感じ夜内が口付けした反対側の頬を撫でた。
「今、何か冷たいのが当たった気が……」
ヨルチがキスした瞬間、同時に別の頬に冷たい感じがした。 気のせいか、気味の悪い女にキスされたせいで鳥肌が立ったのをそう感じられたのかもしれない。
そんな時、屋上のドアが開き、キメヨが入ってきた。
「今日は遅かったな」
「あれ、ゆうちゃんどうやって入ったの?」
「開いていたからだけど。そして私より先に夜内がいた」
「あぁ、マヨイちゃんが開いたみたいね。あの子そんなことできるから」
「何かの能力か?」
「いいえ、ヘアピンで」
一瞬で消えるのは平気にしたくせに鍵を開ける時は道具が必要なのか。
「あんたと双子と聞いたけどどっちが姉なんだ?」
「マヨイちゃんがそう言ってたの?先に生まれたのは私の方かな、でもそれはあくまで人間の常識で例えるならと言っただけでしょうぬ。 人間は一緒に生まれた存在同士に親しく過ごす感じに見えるけど、私はマヨイちゃんとそんなに親しくないよ」
「人間の中でも家族同士の不仲はあるだろ、私もそうなんだし」
「あははっ、ゆうちゃんにはもうイスナちゃんがいるんでしょ?」
「私を女として見てる妹はどうかと思うが……」
贅沢を言ってるのかもしれない。 イスナは客観的にいい女性だ。 外見的にもそうだが、自分も好きな食べ物があるはずなのに、ずっと私が好きなおかずだけ作ってくれて、表現が上手くできないだけで私に気を遣ってくれる。 妹という点も、キメヨが妹という‘設定’を作り出しただけで、実際にはそうではないのだから他人としても問題はないだろう。
しかし、それができないのは、イスナから昔の自分の姿が見えるからだ。 彼女が頬を赤くしたり、恥ずかしがったり、私のことを好きなことが隠せない調子を見るたびに、私も彼女のように丸見えだったと思うと恥ずかしい。
「なぁ、キメヨ。イスナのことだが……私への悪ふざけをするつもりでああしたんじゃないよな」
「え?何のこと?」
「私の昔のこと知ってその記憶を掘り起こすためにそんな設定にしたんじゃないのか」
キメヨを眺めると彼女は泰然とした顔をしている。 何も知らないのか。 それなら訳もなく自白でもした格好になってしまった。
「私はゆうちゃんが喜ぶだと思ってそんな感じで入れたんだけど...何か気に入らなかったの?」
「そうじゃなくて…」
キメヨの性格はよく知っている。気になることがあれば、わかるまでしつこく聞いてくる。むしろ下手に隠すと余計に厄介なことになるだけだ。今も‘気になる’という顔をしている。
「イスナを見ていると…」
昔の記憶が頭をよぎる。さらさらとした銀色の髪、その後ろ姿を見るだけで胸が高鳴ったことを思い出す。
「従姉のお姉ちゃんが好きだったことを思い出して...」
▼▼▼
「ゆう、君の従姉だよ」
「従姉...?」
「こんにちは、ゆうちゃん。わたしは伊藤立馬って言うんだよ」
当時私は小学生、お姉ちゃんは高校生だった。だからお姉ちゃんは制服を着ていた。銀髪に青い目。冷たそうな印象だったが私の前では優しく微笑んでくれた。制服を着ているが、大人の女性と言っても過言ではない早熟さだった。
最初は憧れの感情が強かった。 あの年頃の高校生は大人と変わらないように見え、何でもできそうだと思った。 特にお姉ちゃんは本当に優秀な人だったから。
私の親は放任主義で、一人娘に構ってくれなかったけど、その時は立馬お姉ちゃんがそばにいてくれたからよかった。いつだって自分の味方になってくれる家族がいることを、その時初めて知った。
他の人を見るときと、立馬お姉ちゃんを見るときの感情が少し違うことは、その時から知っていた。でも、それはただ、お姉ちゃんが唯一、僕とよく遊んでくれる人だからそう思うだけだと思ってた。
でも、私が彼女との思い出を思い出すと、いつも同じところで途切れる。
立馬お姉ちゃんの家は大物だから、彼女も跡を継ぐために忙しそうだった。 特に彼女も私と同じ一人っ子だったから。 何かの資料でも見て寝たのか、お姉ちゃんはソファで眠っていた。
「お姉ちゃん…」
その姿を見ていると、胸の奥から熱いものが沸き上がるような気がした。
そして、それは普段からぼんやりと気づいていた感情であることもわかった。普段お姉ちゃんと一緒にいるときは会話したり遊んだり、他の感情に紛れて表に出なかっただけだ。静かで、何の外部刺激もない状態でそれと向き合ったのだ。
特に幼い頃は衝動的に動いしてしまう。私は自分の気持ちに気づいた途端に、後先考えずにそのまま頭を下げて立馬お姉ちゃんの唇に、私の唇を合わせてしまった。 そしてぐっすり眠っていたと思ったその目を開け、そのまま視線が合ってしまった。
__その以来にもメールでは連絡を取り合ったが、それもある時点で全く来なくなった。 キスが原因ではないことはわかっている。 そうしていたらもっと早く連絡が切れていただろう。 お姉ちゃんは私を配慮したのか、その日のことには全く触れなかった。 しかし、そのような行動が私の罪悪感を刺激したから私は返事をまばらにした。 今も姉から連絡が来ないと言って先に送ったりもしない。 私はそんな利己的で臆病なガキだ。
「だから、イスナを見ると、幼い頃の記憶を思い出して、気まずくなるんだ」
「うーん、それが結衣の初恋の人なんだね、実の姉ならともかく、従姉くらいなら別にいいんじゃない? 結衣はあの時、幼かったからキスくらいは
あのお姉ちゃんも可愛いと思ってたかもよの?」
「…じゃない」
「え?」
「キス程度じゃ...ない。舌まで入れた」
「あらぁ」
「その当時は意識してした行動ではないが本能がさせる通りにお姉さんの舌を絡めてすごく···洗った。今思えば完全にベロチューだった」
キメヨは、まるで私がそんなふうに直接的に話すとは夢にも思っていなかったかのように、目を大きく見開いた。そして、一瞬息をのむと、口を半開きにしたまま固まった。その表情には驚きと戸惑いが入り混じり、どう反応すればいいのかわからないとでも言いたげだった。まばたきすら忘れたかのように私を見つめ続ける彼女の頬が、じわじわと赤みを帯びていく。
「それは…アウトかも」
キメヨはそう言いながらも、目が覚めたという反応は見せなかった。 依然として穏やかな笑みを見せた。
ちなみにあの時ユウが感じた恋はどんな感じだった?'
「それはまあ…」胸がドキドキして、体が熱くなって···キスしたいと思うし、胸も触りたいし、素肌にも触りたいし…」
このように露骨に全部言ってしまうと、これまで隠してきたことを無駄にするということを知っていたが、一度本音を打ち明けた口は、壊れた蛇口のように止まらず、すべてを打ち明ける。 その時、お姉さんを見ながら聞いた欲求や衝動、そういうものを。
「こういうのが愛なんじゃないか?」
「(ゆうちゃん…··· それは…)」
愛じゃない、発情だ。 キメヨの頭にはその言葉が浮かんだ。 ゆうが愛という感情に無知なのは当然かもしれない。 幼い頃は家族にまともに愛さてることができず、愛という感情を知らないままでおの時唯一優しく接してくれた従姉を見て愛よりも原初的な本能が先に目覚めてしまった。 そして、まだ幼い子供のゆうは浮かんだ行動をそのまま実践してしまい、よくしてくれた人にとんでもないことをしたという罪悪感を抱いている。 そんな心が今になっても愛という感情に足を踏み入れにくくするのだろう。 誰かに好感を感じるだけでも、反射的に何か悪いことをした気分になるだろう。
しかし、キメヨはだからこそゆうを今回のテストのターゲットに決めたのだ。 人間の間で愛を感じられない人間はいくらでもいる。 しかし、ゆうは愛を感じる可能性があるにもかかわらず、怖がって踏み出すことができないのだ。
これは優に同情したからだろうか、それはキメヨ自身も知らないことだった。 ユウに説明したように、キメヨをはじめとする人間ではない存在たちは共感に関連した感情には鈍かったため、他人の存在が行動原因になることはあまりない。
しかし、キメヨには一つ断言できることがあった。
「ゆうちゃん、私はそんなゆうちゃんのこと好きよ」
「え?」
屋上の床に落ちていた二つの影が触れ合う。
___何が起こったのかを気づくまで、長い時間はかからなかった。 唇に柔らかいものが触れたから。 キメヨは私の両頬をつかんでキスをしていた。
幼い頃の記憶に縛られているだけに、キス自体はその時以来初めてだった。 あの時と違うのは本当に唇だけ触れ合う純粋な口づけだったのだ。 キメヨは今どんな表情をしているのか?気になったが、私はキメヨの気配が遠くなるまで目を閉じたままだった。
「き、キメヨあんた今何を…」
「ふふ、私にはベロチューしてくれないの?」
キメヨのいたずらな言葉に顔がほてった。 そんなことできるはずがないだろ。 先ほど告解のようなものをした相手に··· もちろんそのまま数分、いや。 あと数秒いたなら、それでもしなかったっていう断言はできない。
…そういえば、テストの条件はキスをしたら終わるんじゃなかったっけ?
「ちょ、ちょっと···今まさか終わったのか?」
フォルテの提案にも私が誰のせいで悩んだと、こんな風に終わりにしてしまうなんて。
「落ち着いて~覚えてる? 合格するためには条件がもう一つあったじゃないか。」
「もう一つ?」
そういえば、正確には人の体にある卵のような形のエネルギーを口で移せてゲットすれば終わりだったのか、ということは……
「今私は産卵期じゃないから……終わっていないのか?」
「排卵期のことよね? そして、そういうことじゃないから。もちろん受験者ではない私もキスでエネルギーは奪えるけど、キスしたからといって絶対に奪うわけではないのよ?ただ口付けさえすればテストに影響を与えずにキスできるの。 飴が入った瓶に手を入れたからといって必ず飴を持って来なければならないわけではないでしょう?」
「そういう原理なのか……」
「でも、今テストを受けている女の子たちとキスをしたら絶対に取られるからね。 『本当に口だけ合わせるから』みたいなこと言っても 騙されたらダメだからね?ゆうちゃんがキスを許した時点でそれは合意になるから」
確かに目的がないのに好きでもない人にキスしたい人はいないだろう。
だとするとキメヨはなんで私にキスしたのか? そんな疑問を抱きながら、キメヨをちらりと見た。 頬が少し赤いみたいだけど。 しかし、それは私も同じだ。 自分で顔を直接見て確かめることはできないけど、何かすごく暑くなったから。
しかし、キメヨは愛のような感情に鈍いのではないか。 でも確かに好きだと言っていたし···これは告白と見ていいのか?
「キメヨ、私のことが好きだと言ったのは…···私が思うような意味なのか?」
「うん、そうだよ」
キメヨは何を今更聞くのかというようにさわやかに言った。
「ゆうは私の一番親しい友達だからね、もちろん好きだよ」
「ハ?」
キメヨは間抜けな私について楽しそうに話し続けた。
「これまで自発的に口づけする人間たちはよく理解できなかったが、ユウを見ると少し理解するようになったよ。」
「おい、私の言うことをちゃんと聞いたのか?」
「違う意味で好きかどうか聞きたいの?」
私はこれ以上話を続けられずにうなずいた。 先に好きだと言ったくせに、こっちを緊張させるなって。 まるで私が先に告白でもしたような雰囲気になった。
「でも、私がそんなこと言ってもいいの?ユウは近いうちに他の誰かとキスしなければならないじゃん。 ゆうはいい子だから、私にそんなこと言われたら他の女の子とキスできないじゃないかな?」
「……」
反論できなかった。 幼い時にキスしたことも今まで引きずっているのに、そうでないと言っても説得力もないだろう。 でも、他の女の子とキスするからといって、キメヨはそれまで残っているのか? しかし、それに対する返事を聞くのは拒否感があって口をつぐんだ。
キメヨは私の頭をなでてくれる。
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