第25話
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「・・・卒業式、お疲れさまでした」
「そんな、私は見送られただけよ」
車内。静かな空間。
桜が散る景色を端に捉え、少し物惜しくなる。
「スピーチ、さすがお嬢様です。完璧でしたよ」
何を話題にして良いか分からず、先程まで行われていた事を述べる。
「あら、西山までそう言うの?」
「え?」
少し寂しそうな表情を、していっしゃるのか?
「・・・いいえ、なんでもないわ。ありがとう」
「・・・お嬢様」
「・・・何?」
寂しそうな視線が、窓外に注がれる。
「死に物狂いで努力して、今のお嬢様があること、自分は知っていますよ」
別にお嬢様は才能に望まれているわけではないと、僕は知っている。
小さい頃から橘家のためと、遊びたい盛りだろうに勉強や習い事をして。
その努力を、僕が知らないわけないだろう。
「・・・ありがとう、西山。さすがね」
窓外に注がれている視線が、柔らかくなった気がした。
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