第3話
信一は、目は一重でつりあがっていて、でかい鷲鼻、薄い唇、とがった顎、と全体的に顔の評価をすると、いわゆる何か企んでいそうな、悪人顔。
そんな顔だからか、合コンなのに近寄ってくるなオーラを出してるからなのか、
信一の右隣に壁、左隣は男友達と、合コンの意味がない座り方をしていた。
たぶん私と一緒で、人数合わせの為に連れてこられたんだろうなっていうのが、ひと目で分かる無表情で、ビールを飲んでいた。
私は、人の傷口に塩を塗る優しい友達に、
「くれぐれも粗相がないように、綾子は笑っているだけで良い。っていうか喋るな。」
と何回も念押しされていたから、隣に座っている頭の軽そうな男の子に、笑いかけているだけだった。
けどそれもいい加減飽きてきて、自然と目線は対角線上に座っている、もう壁の一部となりつつある信一を見ていた。
「それでね、綾子ちゃん聞いてる?」
「うん聞いてるよ。それで?」
と、微笑みながら隣の頭が軽そうな男の子に言うと
、
「それでね・・・・」とまた、一生懸命話し出した。
頭が軽そうだと思っていたけど、本当に軽いみたい。
私が、違う方を見て、返事は「へー」「ほー」「ふーん」「それで?」だけしか言ってないのに気が付いてない。
というか、いつも合コンや紹介の男は、こんな感じの男しか私に寄ってこない。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます