第18話

「えっとね、あれ?なにから話せばいいんだっけ」

「………………」


1人でなにしてんだよ……。

自分で話し始めて自分で混乱してるぞこいつ。マジ何してんだよ。


「ん〜?ん〜……。あ、思い出したっ!」

「やっとかよ……」


こいつが1人で迷い始めてから五分弱。思い出すの遅くね。俺めっちゃ待たされたし。

早く報告してあいつ探したほうがいいんじゃね、って本気でドタキャンしてやろうかと思った。


「なんだっけ、あの名前。レイアだっけ?ほら、白い髪に水色の目の子」

「知ってるけど……。ほんとになんなんだよお前。うさんくせぇな」

「えぇ〜?ひどいなぁ。少なくとも危害を加える気はないから安心してよ。もしその気があったらもうすでにやってると思うよ?」 

「だろうな」


「まず大前提なんだけどさ」

「ああ」


そう言ってあいつは目を座らせる。少し怖いと思った。

そしてその印象にそぐわず、その口から出てきた音は恐怖を覚える内容だった。


「僕さぁ、レイアって子、殺しちゃったんだよねぇ!」


そう、笑顔で言ってのけるあいつ。

背筋が凍った。


いつのまにか雨が降っていたらしく、冷たい雨が地面を打っていた。

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