第11話

アイスガン氷・弾!」


氷の塊を発射する。避けられる。

攻撃される。氷の壁で防ぐ。その繰り返しだ。

埒が開かない。


こうしている間にも、リオの状態がどんどん悪くなってると思うと、焦って手が震える。


さらに、この魔物との相性は最悪。氷属性は、固体だから攻撃力は強いが避けられやすい。

避けにくさは、流動性が高い水属性の方が上。

レオが怪我をしてなかったら。俺が、ちゃんと気づいていたら。


すぐに終わったかもしれないのに。


「くっ、そ……っ、はぁ…」


息が上がる。限界が近づいてくる。 

どれくらいの時間が経っただろうか。体感では1時間ほど経っている気もするし、30分ほどな気もする。

どっちにしろ、時間が経つほど不利になっていく。焦って、さらに攻撃が当たらなくなる。


その時   音もなく  光の矢が

           ………魔物を貫いた。

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