第24話 魔王城、探検!②

「で?言い訳を聞こうじゃねぇか。何か言い訳が有るんならなぁ。」

 現在、サクラとガクトはサクラが使っている部屋でお話説教を行っている。

 サクラ(本体)は正座、ガクトは椅子に足を組んで座っている。

 ちなみに魔王様には「す、すみません魔王様!どうやら五月蝿い虫が入り込んだ様です!私が退治して参りますのでご相談はまた後日お願いします!それでは!!」と言って出てきた。


「いやちょっと待ってよガクト。私は何もしてない。ただちょっと遊んでいただけ。折り紙で工作をして使った物をちょっと飛ばして遊んでただけ。盗み聞きする気なんてこれっぽっちしかなかったの。」

「なるほどなるほど、そもそも折り紙で工作なんて15歳のする遊びじゃないと思うのだが?それに俺問題起こすなって言ったよな?その前に、盗み聞きする気がこれっぽっちあったらダメなんだよ!このバカァ!!」

 反論する言葉がないのか、「うぐっ!」っとうめいている。


「はぁ、まったく。絶対いつかなんかすると思ってたがまさか来た初日だったとは・・・・・・。そういやお前、どうやって魔力なしでアレを動かしていたんだ?魔力じゃなかったよな?」

「あれは私が竜王覇気ドラグ・オーラを参考に作った神威カムイって言う、なんか魔力みたいな力だよ。」

「へぇースゲェな。今度教えてくれよ。」

「しょーがないな〜。良いよ、教えてあげる。良くしてもらったし、特別ね?あ、その代わり私に赫血ブラッド教えてよ。」

「もちろんだ!サンキューサクラ!」

「お礼はプリンで良いよ。」

「ははっ、なんだそれ。」

 その後2人は夕食の時間まで楽しく談笑していたのだった。



 サクラが魔国に行ってから数週間が経ったころ、王都は魔族から宣戦布告を受けていた。

「いかがなさいますか、国王様!」「今こそ、憎き魔族を討ち滅ぼす好機にございますぞ!」

 集まった貴族たちが国王、ルージェ3世に訴えかけていた。


「待てお主ら!相手には学院の生徒が人質として囚われているのだそ!」

「しかし、生徒はただの平民と言う話であったぞ!」「ならば見捨ててもかまわん!」「「「そうだそうだ!」」」


「鎮まれ、皆の者!!」

 ルージェがそう言うとざわめきが次第に落ち着いていった。

「こちらは人質が取られている以上、簡単に手は出せぬ。貴殿らは戦力を整えつつ、交渉の準備にかかれ。話は終わりだ!」

 その言葉を最後にルージェは大会議室から姿を消した。


「まったく、あの貴族どもは何を言っているのだ。平民だからと言う理由で学院の生徒を見殺しにするなど言語道断!・・・・・・セバス、交渉材料になりそうな物を集めておけ。それと一応軍も整備しろ。」

「かしこまりました。」

 セバスと呼ばれた執事が行くとルージェは大きなため息をついた。

「はあ。これは、大きな戦いになりそうだな。・・・・・・学院の生徒は無事だと良いがな。」

 そう言うと、自分の仕事を片付けるために、少し駆け足で自室に戻った。



 その頃、魔王城では。

「ほい此処、王手飛車取り。」

「な、なんじゃと!くっ、すまん飛車よ。お主を助けてやることは、ワシには出来ぬ。さらばじゃ!」

「そして此処に今取った飛車を置いて王手。はい、詰んだ。」

「くそぉ〜〜!!12連敗じゃ〜!」

「あっはっはっ、ゴードンさん弱すぎ!それでも魔族を率いる魔王なの??」

「おいサクラ、煽り方がウザすぎる。その人魔王だぞ、少しは手加減しろ。」

「いや私飛車角二枚落ちでやってるんだけど?これ以上ないハンデだよ。」

「サクラよ!もう一局じゃ!」


 サクラとガクト、魔王のゴードンと3人で将棋をしていた。なお、サクラはゴードン相手に12連勝中、ガクトに2勝2敗中だ。

「う〜ん、なんでこんなに弱いんだろ?覚えはいいはずなのにね?」

「もう将棋の駒の名前と役割り覚えてるのにな。」

「ガクト、アンタは強すぎよ。」

「そーでもねぇだろ。普通だ普通。」

 なぜこんな事態になったのかは少し前に遡る。


ーーーーーーーーーー


 サクラが魔王城に来た翌日、サクラはガクトに黙って城の中を探検していた。

 何か楽しそうなものがないか探しながら廊下を歩いていると、曲がり角で大柄な男とぶつかった。

「おっ、すま・・・・・・お主、こんなところで何をしている?」


 ぶつかったのは魔王ゴードン。この魔国の王で有る男だった。

「あ、ごめんなさい。って、魔王様でしたか。それじゃあ改めて、サクラです。よろしくお願いします。」

「・・・・・・私は現魔王、ゴードンだ。今一度問う、ここで何をしておる?」

「あ、別に悪いことしようとしたんじゃ無いんですよ?ただ折角魔王城まで来たんだし、ちょっと魔族に関する本でもあれば読みたいなぁ、と思いまして。」


 ゴードンはふむ、と唸るとサクラに問いかけた。

「ここで得た知識で何をするつもりだ?もし、人間国に持ち帰ろうなどと言うのであれば・・・・・・」

「ですから、何もしないって言ってるでしょ。それに、変に強がらなくていいんですからね。私知ってますよぉ、私と謁見が終わった後、ガクトに『ワシ、あの子にあの様な対応でよかったかの?あの子、な、泣いたりしておらんかったか?泣かれるとワシ悲し・・・・・・』「ま、ま、ま、待て!分かった、分かったから!!」それはよかったです。っていうことで、魔族のことに関する書庫までの道教えてくれますか?」


 そう言うと、ゴードンは大きなため息をついてからこう言った。

「念の為、ワシがお主を見張っとく。ワシも書庫に用があるのでな。」

 こうして、魔王様とちょっとだけ仲良く?なったサクラだった。

 なお、この後ガクトに見つかって正座させられるまで、残り2分。

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