第6話 入学式での面倒事
今日は待ちに待った王立学院の入学式の日だ。
保護者としてメラハさんが入学式に出席してくれた。忙しいはずなのにありがたいな。
そして今日は主席のあの子に会える。
会えると言っても遠目から眺めるだけなんだけど。
貴族社会にはいくつかルールがあり、その一つに《上流階級の人には自分から話しかけてはいけない》というものだ。
つまり、平民は貴族に話しかけてはダメって事だ。まったくもってめんどくさい。
主席以外の生徒はどこに座っても自由だが、前の方は貴族のみという暗黙のルールがある。
それ以前に主席の席の周りにはたくさんの人だかりができているから普通に見るのは無理だろう。諦めて前を向いて開式を静かに待つ。
「新入生代表、ホムラ・スカーレットさん」
そう呼ばれると、はい、と返事して舞台の上に上がった。
「みなさん、こんにちは。私はこの学院に入学することができて大変光栄に思います。
私のこの学院での目標は誰にも負けない強い人間になることです。生徒はもちろん、教師や冒険者のみなさんにも勝ち、世界に名を響かせることができるように、日々精進したいと思います。
生徒代表、ホムラ・スカーレット」
周りからの拍手を浴びながら堂々と自分の席へ戻っていった。
この学院には貴族と平民がいて、その比率は大体8:2ほどだ。これは殆どが試験で落とされて、残ったとしても常に周りから馬鹿にされるので大体が卒業前に辞めてしまう。
そんな中、平民出身者が学院の中の最高クラスであるSクラスに入るなんて事は前代未聞の出来事だった。
そして、そんな騒ぎを起こした犯人は当然好奇の目に晒されることになる。
(い、居た堪れない・・・)
周りは全員上級貴族、自分は平民なので他のところに話しかけることもできない。
(誰かぁ〜、話しかけてきてくれよぉ〜)
そんなことを考えていると突然ドアが開いた。
「みなさん席についてください。これから
この人が担任の先生みたいだ。
「初めまして、私はノイン・スカーレットと申します。このクラスの担任ができて光栄に思います。困ったことがあったら気軽に話しかけてみてください。それでは、今日はこれで解散です。また月曜日に会いましょう。さようなら」
そうしてHRは終わった。
(意外と日本と曜日とかおんなじなんだな〜)
的なことを考えながら帰ろうとしていると
「なんだよあいつ、平民のくせに調子に乗りやがって」という声が聞こえてきた。
こんなの気にしてちゃ仕方ないと思いスルーをすることにしてとっとと退散するとしよう。
「ねえあなた、サクラといったわね。」
「え、あ、はい」
しまったー!つい反射的に返事してしまった
「あたしはサクラ、あんたに決闘を申し込むわ!!決闘は来週水曜日、お昼休みに第一訓練場で!いい、逃げないでよね!!」
入学初日から面倒な事態に巻き込まれたようだ。そう半分現実逃避していた。
「・・・と、いうことがあったんですが・・・」
「「「う〜〜〜ん・・・」」」
「とりあえず、受けてみたほうがいいんじゃない?」
「そうだな、一度戦ってみないと相手の力量は測れない。次のリベンジのためにもいい機会かもしれないな」
「ちょっと待ってくださいよ!どうして私負ける前提なんですか?」
「いくらサクラでもあいつに勝つ事はできないだろう。俺でも本気でやり合ったらたぶん負ける。それだけの相手なんだ」
う〜〜ん、・・・・・・・・・もういいや!
「決めました。私、この決闘受けます!でもやるとしたら・・・」
強いからといって勝ちを譲るつもりはない。
「勝ちますよ。私」
「あら、逃げずにきたのね。まあ、いいわ。その度胸だけは認めてあげる。」
「・・・本日は、このような名誉ある場を設けていただき・・・」
「かたくるしいのは無しでいいわ。」
「・・・わかった。」
「それでいいのよ。それじゃあ、賭ける内容は考えてきた?」
「? 賭けるないようとは?」
「あなたそんなことも知らないの?」
悪かったね!無知な田舎者で!
「決闘とは何かを賭けて行うものよ。ちなみに、私が勝ったらあなたはEクラスに落ちてもらうわ!」
Eクラスとは底辺の貴族や平民の通う通称【ENDクラス】そのクラスから進級、卒業できる事は殆どないと言われている。
「えーと、それじゃあ・・・」
えー、そうかけたいものとかないんだけど、、、
「あ、じゃあ、私が勝ったら友達になってくれない?」
現状、一番欲しいのは気軽に話せる友達だ。
「・・・ぷっ、くくっ、あはははは!いいじゃない、こんな内容初めてよ!分かったわ。それでいきましょう。
ルールは簡単。相手が降参するか立会人がやめと言うまでよ。なんでも使っていいけどこの決闘場の結界の外に出たら反則負け。あと、当たり前だけど殺しはなしよ。」
なるほど、それなら安心だ。
そして、決闘がついに始まった。
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