第3話恋は晴天の霹靂 サクラ前線編2

「それじゃあいってきま~す」


自分では思ってた以上に元気な声が出せてびっくりした。




あまり寝れなかったこともあるし、考えなくちゃいけないことがあるせいで… なんだか気が重い。




そんな私の気持ちとは裏腹にいつものように日常は訪れて、今日も学校にいかないといけない。




「優希~」




私が踏み切りで電車を待ってると遠く後ろから声がした。




「あ、行広 おはよう」


行広は私の家の近くに住んでる幼馴染だ。


毎朝登校する時間が同じなのでよくこの踏み切りでいっしょになる。




「おはよう、なんだか元気ないね」


何が楽しいのかよくわからないけれど、行広は笑いながら話し掛けてきた。




「まあね、花も恥らう乙女ですから、いろいろあるのよ」




「あっはっは、乙女ってたちかよ もう少し自分のこと理解したほうがいいんじゃない?」




「もう、うるさいわね」




いつもどおりの会話をしてるとちょっと落ち着く。


そんなこんなを言ってる間に列車は通過し、遮断機は上がった。




「おっと、俺先行って宿題写さないといけないから、じゃあな」


そう言って行広は走っていった。




「だったらもっと早く起きればいいじゃない」


遠くに走っていく行広に言いながら、私は通学路を歩き始めた。




踏み切りに咲く桜はとても綺麗で、少しだけ花びらを散らせている。


私は桜に応援されているような気分になり、少しだけ元気が出たのだった。

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