第18話

近くの公園で残りのクレープを食べることとなり、私たちはベンチに腰を下ろした。



「あの、さ」



バナナクレープに齧りついていれば田端くんに声を掛けられる。



「ん?」


「品川さんってもしかして、彼氏とか…いた?」



その言葉に私は首を横に振る。



「いたことないよ。田端くんが初めて。なんで?」


「……いや、なんか俺ばっか照れてるから。品川さん慣れてるのかなって」



田端くんの言葉に私は面食らう。


慣れてる?私が??いや、慣れているのは私じゃなくて



「田端くんのほうが慣れてると思うけど」


「え、おれ?」


「うん」



だって浮気してたし。


私が彼の浮気現場を目撃したのは今日が初めてではない。

何度かそういう現場に遭遇していた。


明かに行為中の現場にも…遭遇したのだ。


だから私よりよほど慣れているだろうに。

だが田端くんは首を横に振る。



「俺も付き合ったの、品川さんが初めてで……全然慣れてないよ」


「そうなの?」


「うん」



頷く田端くんに私は今日一日のことを思い返す。

確かに彼は手を繋ぐだけで照れたり、食べさせ会いに過剰に反応したりしていたけど…。


ふと私の中で疑念が湧く。

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