第38話
「やーっぱり、男いたんじゃん!そんなおもしろい話、はやく教えてよ~」
みのりは酔っぱらっていたわりに、先日の食事会での会話を鮮明に覚えているようで、私は結局、理央との関係を出会いから今に至るまで説明することになった。
「でも、最近会ってないし、どうなんだろう。向こうはちょっとした遊びのつもりかも」
自嘲するように笑えば、みのりは一層声のトーンを上げて激しめに否定してくれる。
「いや、ありえないでしょ。たしかに相手もハイスペック男みたいだけど、どう考えても郁に惚れてる。というか囲ってる」
「かこって…?」
「まあしかし、連絡不精なのはいただけないね」
「元々、そういうのマメな人じゃないんだと思う。私も、自分はそんなに気にするタイプじゃないと思ってたんだけど」
そう、例えしばらく放置されようと、気にならなかったはずだ。
あれだけ魅力があって、周りにいる人みんなに好かれてしまうような男なのだから、私だけに本気になれというのは望みすぎている。
はじめから分かっていたはずだった。
理央みたいな素敵な男の人に、若いうちに一度くらい引っかかってみるのも悪くないから、とさえ思っていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます