最強のパンイチ男

 ここで少し解説を入れようと思う。

 これからステータスのインフレは爆速的に早まるだろう。

 このインフレに対応する為にこの前夢の中で論理層を構築した。

 これにより、絶対無限や矛盾性、不可能性の言語的枠を超え人間思想を超えた領域も擬似的に可視化することができるようになったのだ。

 その可視化の際はR(0,1)やR(0,2)などと表現される。

 これは数値が少し増えただけに見えるが、実際は人間の論理が極限に到達するのに使用した巨大基数や絶対無限、哲学的概念、矛盾性、論理破綻性、不可能性などの階層を軽く超えており簡単に言えば1と無限の差がある。

 ここで子共劇場団のボスは現段階ではR(α,α,α,α,…)の極限となり論理層全体の論理となっている。

 この論理層を使用してここから先は記述していく。


※例:攻撃力10→10→10→10→10→10→10のパンチが炸裂し、R(5,3)の領域が破壊された


────────────


 ドラゴン山脈を歩き続け、あり得ない量のドラゴンと出会った。

 あるドラゴンは古竜であり、あるドラゴンは邪竜、あるドラゴンは覇竜、という色々ないかついドラゴンと会っていくうちに夜が明け就寝し、また歩き始めた。

 ドラゴン山脈から見る景色は絶景であり、ありとあらゆる国や山滝などが見えるのである。


「はぁ…涼しいな」


 そんな風に一人寂しく歩いていくと、一つの小屋がぽつんと建てられていた。


「なんだこれ?」


 満はこんな所に小屋があるはずないと考えながらも恐る恐る小屋の方に近づいていった。

 そしてその小屋をぐるぐると回りながら様子見したあとにドアをコンッコンッとノックした。


「お、こんな所に旅人か?」


 そう渋い男の声が聞こえたと同時に力強くドアが押された。

 満は「おっと…」と言いながら、後ろに下がり思いっきり押されたドアから離れるとパンツを一枚だけ着けたヒゲが白の顔はサンタクロースのような大男が現れた。

 その大男のパンツを思わず凝視した満に大男は「ガッハッハッやっぱり気になるかい?このパンツが?」と大声で言った。


「はい…気になりますよ」


「このパンツは魅力のパンツと言ってだな、皆このパンツを見ると一目惚れッちゅーか凝視しちゃうんだよなッ」


「なんで、そんなパンツつけてるんですか?」


「俺はなぁ…クリスマスかクリスマス・イブにしか注目されない可哀想な存在なんだよ…」


 それを聞いた満はもしかするとと思い、「あなたって…サンタクロース?」と聞いた。

 すると、当たり前だろという顔をしながら大声が首を縦に振った。


「サンタクロースのパンイチかぁ…」


 満がそう呟くとサンタクロースは「まぁ俺の小さな秘密基地に入りな」と言い中の小屋に入っていった。


 中の小屋は思った通り狭く中心に穴があり、その角に椅子があるような構造をしていた。

 するとサンタクロースがその穴の中に飛び込み、それを見ていた満はサンタクロースが行ったあとに飛び降りた。


 穴の中に飛び降りた満は湖のような所に落ちた。

 満はなぜ穴の中に湖があるのか疑問に思いながら広大な湖から出ると、広大な機械大陸─全てが機械により構成されている大陸のような広さの大地─が広がっていた。


「うわぁ」


 思わず声を上げた満の背中を後ろから来たサンタクロースは叩き、「全世界の子供のプレゼントを作るにはこんぐらいの広さが必要なんだぞ?」と大声で言った。

 満は「この穴の中の都市というか……秘密基地?はどのぐらいの広さなんですか?」と聞くと「ドラゴン山脈と同じぐらい」と即答された。

 ドラゴン山脈の大きさというのは地球と同等クラスの大きさの為、満は「え?そんなに子供がいるんですか?」と聞くと、サンタクロースが「子供ぐらい無限にいるよ」と答え改めてこの世界のスケールの大きさを実感した。


 すると、サンタクロースが口笛を鳴らし湖の底から機械でできたバイクのようなものが満達の目の前に止まった。


「すげぇメカニック…」


「だろぉ?よし、後ろに乗れ」


 そうサンタクロースがバイクの後ろを親指で指した。

 満は大人しくバイクの後ろに乗ると、光速のようなスピードで移動し始めた。

 そして5秒ほど過ぎた後にバイクは停止した。すると、機械都市の中央部分に着き周囲には小さい小人のようなロボットが無限に働いていた。


「最近よぉ…ガキンチョどもが強くなって、俺をぶっ倒そうとしやがるんだよ。」


 そうサンタクロースがバイクから降りて話を振ってきた。


「何故…子供たちはサンタクロースを狙おうとしてるんだよ……」


「まぁ、だいたい見当がつくよ。俺が持ってるオメガパワージュエルが欲しいんだろうね。」


「オメガパワージュエル?」


「あれ?お前知らねぇのか。オメガパワージュエルっていうのはな。ステータスの攻撃力無限と等しいエネルギーを持つ宝石のことだ」


「ステータス…無限だと?」


「そう、無限。俺が封印してるから欲しいんじゃねぇの?」


 満はその事実に驚きながらも「そのオメガパワージュエルってどこにあるの?」と聞いた。

 サンタクロースは「ここの秘密基地の何処かにあるよ」と答えて少し経った頃に満は「そんな事俺に言って大丈夫なの?」と聞いた。

 するとサンタクロースは「はガッハッハッ今更そんな事聞くのか?お前がこの基地の中に入ってきてる時点で運命は決まってんだよ!」と大声で言った。


「ま、まさか…俺を殺す!?」


「そんな事するわけないだろアホンダラぁ…お前を特訓させて、その子供の組織ぶっ潰してもらうんだよ。俺はプレゼント作りで忙しいからな!」


「な、なんだってぇぇぇぇぇ????」


 満は今日、この瞬間からサンタクロースに特訓させてもらうことになった。

 魔皇討伐は……後からでいいや。

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