中央連邦国家アダマス③
灼瞳鬼帝による襲撃があった日から2日ほど経った朝、勇者のクラス分けを行うそうなので執事から運ばれてきた朝食を食べ、クラス分けが行われる首都アダルンの外にある安全な草原に向かった。
向かう途中社会人として気が合う武さんと一緒に移動した。勇者の中にはまだ幼い子がいたり、人間以外にも獣人などもおり、ワクワクしながら歩いているとすぐ草原に着いた。
草原には巨大なクリスタルが10個と的?のようなものが30個ほど設置されており、勇者がきれいに並んでいたので、俺もそれに加わった。
俺が並んで5分ほどしたら、一番前にある台座に監督らしき人物が登った。
そして「よし、勇者は全員揃ったな。今から訓練などをしやすくするためにクラス分けを行う。弱いやつかた順にC、B、A、Sと四クラスに分けられる!そして特に強い10人は特設のZランクのクラスに分けられる予定だ!」と大声で叫び、その後試験の内容を話していった。
「試験は基本的にステータス測定、魔術技能測定、剣術技能測定で測定する。そして最後に戦闘能力測定として勇者同士又は審査員同士で戦ってもらう。」
「まずステータス測定について話すぞ!ステータス測定は中央にあるクリスタルに手をかざすと、現状の自分の平均ステータスとレベルが現れその数値によって評価を勇者全体の平均値から決める。つまり客観的に強くても勇者の中で弱かったら問答無用でCランクに行くということだ!」
「そして次に魔術技能測定だ。これは左端にある魔力の結晶によって作られた的の中央に正確に高威力で魔術を撃つことによって、総合ポイントが割り出されるという内容だ。」
「次に剣術技能測定だ。これは右端にある魔導的人形模型に攻撃を一分間与え続けるという内容である。総合ポイントは剣術の速さ、威力、効率的に攻撃しているかなどから割り出される」
「そして最後に戦闘能力測定だ。これは戦術などの剣術技能測定、魔術技能測定、ステータス測定では算出されない戦闘能力を測定する試験だ。これで試験の内容は以上だ。戦闘能力測定以外の試験は勇者個人によって受ける順番を選択できるから、自由に受けるが良い」
「解散ッッッ!」
そう監督らしき人物がそういうと静まり返っていた勇者達は急に喋り始めガヤガヤし始めた。武さんは俺のほうに近づいてきて「満は何から受ける?あと敬語じゃなくてもいいよ」と武から言われたので、敬語は辞めた。
そして、俺は何から受けるかと迷った末に剣術は少し怪しいから、ステータス測定→魔術技能測定→剣術技能測定の順番で試験を受けることにした。
「俺はステータス測定を受けて、魔術技能測定を受けて、最後に剣術技能測定を受けることにするよ。剣術は少し自信ないからね」
「満はそうするのか。じゃあ俺もそうするかなぁ」
そう言うと武の頭がピカッと太陽に照らされて光った。その光はまさに神の光のようで、今日は何か良いことがありそうだ。
俺達はステータス測定の方に向かった。幸い巨大なステータス測定用にクリスタルが10個もあったので、そこまで待つことも無くステータス測定が出来そうなので、少し待った。
その間ステータス3万で良いのかなと何度も思ったが、むやみに変えずにそのままステータスを測定した。
俺の後ろで待っていた武もすぐ終わり魔術技能測定に向かった。
魔術技能測定ではすごく魔術が得意そうな人が的に向かって凄く長い呪文を唱えて放っていたりしていた。
その威力は凄まじく一つの村は消し飛びそうな威力であり、それで総合ポイント15003であった。
今度は武に前に並んでもらい、次々と列が進んでいきついに武の番となった。
武はこの試験の直前にスキルガチャで魔術関連のスキルを手に入れたみたいなので、そのスキルを使用してこの試験に挑むそうだ。
武は手をハンドガンの形にするために人差し指だけを前に向け、親指を上に向けると「ウォーターガン」といい人差し指の先から小さい水の玉が現れるとそれがバシュンという音がなって、的のど真ん中に直撃した。
総合ポイントが書かれる板には12038と現れ魔術特効じゃないのによくここまで出せたなと思いながら、魔術を撃つ準備をした。
満はまず呼吸を整え先程の武と同じポーズをし、指先に極小の水を生成した。
その水を極限にまで尖らせ最小面積で俺は攻撃をすることにした。
極限にまで尖った水は肉眼では見えず、その水を俺は「バンッ」と言って発射した。
一見見た目は何もしていないので、武が「早く魔法を使ったほうが良いと思うぞ?」と言った瞬間に総合ポイントが表示される板に19803122と表示された。
それもそのはず、極限にまで尖らせた水は的を貫通し遥か彼方に吹き飛んでいったのだから。
武は俺の真隣で「えぇぇぇぇぇ」と声を上げていた。次の人の番もあるので武の背中にポンッと手を置き「次の試験に行くぞ」と言い武を連れて剣術技能測定に向かった。
剣術技能測定では俺は剣術というものを触ったことがないので、一時的に剣術関係のスキルを手に入れて臨むことにした。
剣術技能測定の列に並んでいると、蝿族のようなものが試験を受けていたのである。それは何とどこからどう見てのエルドであった。
エルドは剣術技能測定が終わると総合ポイントに10538042と表示され、近くにいたエンシス国の剣聖の勇者も凄く驚いていた。
それもそのはず、剣聖のスコアで20853なのだから一瞬で大幅にスコアを越された剣聖は驚くしかないのだ。
そして次々と列が進み、俺は剣術関連のスキルを確認して挑むことにした。
「ふぅ」
深呼吸をして剣を構える。スキル[英傑神剣]を使用して敵を斬ると意識した瞬間に体が無意識に綺麗に攻撃をした。
その斬撃は爆風を放ち周囲の人達も立つのはやっとなレベルだったらしい。
そして切り終わると魔導的人形模型が消しクズとなったと同時に総合ポイントに10039631と表示された。
周囲の人は3度見ほどして俺を褒めまくるのかと思ったら、恐怖でしかないらしい。皆俺を人外のような目で見てくる。まぁ人じゃなくてエイリアン・キングだからそれが正しいんだけどね
その中で唯一武と久しぶりのエルドが俺のところに来て「凄!」と言ってくれた。自分で言うのもなんだが俺は強くなりすぎたらしい。俺はこの世界で最強なのだrrrrrr
その時満の意識は遮断された。何者なのかわからない。何故か遮断されたのだ。虚無の虚無、究極の虚無により0を超えたマイナス…そして虚数の域にも到達した空間へと移転していた。
その満に一人の老婆が近寄ってきた。
「あんたはねぇ…あの世界では最強なのかもしれない。でも他世界ではクソ雑魚じゃよ?この世界は一つの踏み台、踏み台と言っても宇宙を駆け上がる存在にとっての小石と同じサイズ。他の世界ではねぇ平均ステータスω^ωの世界もあるし、さらにℵ_1の赤子がいる世界もあるのにねぇ…ま、今の世界で楽しんどきな。この世界でのお楽しみが終わったら次の世界に飛ばしてあげるよ。おっと神のクソ野郎共が攻めてきたのぅ、自分自身が最強だと過信している神がね。神というのはまさに井の中の蛙を体現している存在だね。じゃあ満さよなら」
そう老婆が言うと同時に満の意識は元の体に戻ってきた。満は意識がなくなって老婆がいる空間に転移していたということを知らない為満から見ると意識が急になくなったのと同義である。
満は宮殿の中の医療室で起きた。
うん?何があった?何で医療室に…誰かが俺に話しかけていたような気がするな…気のせいかな。
起きた俺を見て看護師のような人が医師を呼んできた。
「おぉ!起きたか。突然気絶したようだが、どこも異常はなさそうだな。」
「はい、何故か気絶して……」
「とりあえず今は戦闘能力測定を行っているから早めに行ったほうがいいぞ」
「分かりました」
そう俺は良い音速の速度で先程の測定を行った草原へとダッシュで行った。
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