第22話

「夜々ちゃん、お腹減った」


 そう言った瞬間、ガブッと服の上から私の肩に優しめに噛みついてからじーっと私を見つめるものだから彼が用意してくれたものだけれどと思いながらも立ち上がって机のご飯を暖めよとした。


「わっ!」


 腕を引き、畳の上にひかれた薄い1枚の敷布団の上に私を押し倒し、男の大きくて黒い影が私の視界を容易く覆う。


「俺が食べたいのは、夜々ちゃんだよ」


 機嫌が良さそうにそう口にするとお腹に入ってきた男の手が予想以上に冷たくて必死にその手を掴んで止めるが、私の手よりも大きくて叶わなくて好き勝手お腹をさすられ、


「え、ひゃぁ……やっ、待っ……冷たいッ!」


 と、繰り返し言葉にして身をよじる。


「体温高いよね、夜々ちゃん……温かい」


 止めようとしていた手が止まると指を絡められ恋人繋ぎをされてしまう。


「本気で嫌です……やめて」


 今までも何度も体の関係を持ち出されたがこうやって否定してきて、すぐに諦めてやめてくれた筈なのに何故か、今日の男は止まってくれなくて酷い言葉を口にする。


「借金返すもっと楽な方法が外には沢山あるからね」

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