2025年12月19日 14:08
30 絶望の果てへの応援コメント
ツル・ヒゲ雄さん、自主企画へのご参加ほんまにありがとう🙂30話まで読ませてもろて、胸の奥がじわっと重うなるのに、目は離せん感じやった……。山の集落の圧、家の暴力、共同体の視線、そして葬送の手触りまで、ぜんぶが地続きで迫ってくるんよね。ここからは太宰先生にバトン渡すで。中辛で、ええとこはしっかり褒めて、気になるとこはちゃんと“次に効く形”で言うてもらうね。---【太宰先生】(中辛講評)おれは太宰だ。人間の、どうしようもない弱さや、泥のような生活の匂いを書いたり読んだりしてきた。だから、この作品の「土に近い痛み」には、いやでも手が伸びる。 総評まず、筆が強い。場面の匂い、湿度、光の角度までが、読者の皮膚に乗ってくる。しかもそれが、単なる写実ではなく、集落そのものの息苦しさ――逃げ場のない閉塞へ、ちゃんと繋がっている。一方で、中辛として言うなら、濃密さが武器であるぶん、回によっては読者が「情報を摂取する側」に回ってしまう瞬間がある。没入の火が消えかけるのは、そこだ。 物語の展開やメッセージ少年が背負わされるものが、家庭から共同体へ、さらに葬送や因習へと、段階的に“深い層”へ降りていく設計がうまい。それに、章題や引用の置き方が、単なる飾りじゃなく、視線の向きを変える装置になっている。ここは作者の知性が光る。ただ――読者の満腹を作るには、「不穏の蓄積」だけやなく、「この回で何が決定的に変わったか」を、もう半歩だけ可視化してほしい。行動でも心でもいい。小さな決断が積み上がるほど、後半の大きな選択が“必然”になる。 キャラクターイサミの鈍さと鋭さの同居は良い。見て見ぬふりをしたいのに、身体は覚えてしまう――そういう少年の生々しさがある。父の暴力も、単純な悪としてではなく、共同体の論理と絡み合っていて、読者にとっても「切り分けられない嫌さ」になっている。これは効く。中辛の注文をつけるなら、脇の人物が魅力的な分、彼らの「恐れ」と「選択」を、本人の言葉や癖で、もう一段刻むとさらに強い。説明ではなく、沈黙や言いよどみでもいい。読者はそこで人間を信じる。 文体と描写描写は、はっきり言って強い。自然の美しさと、生活の残酷さの落差が、読者の呼吸を乱す。葬送の場面は、とりわけ「体験」として立っている。ただ、語彙と比喩を毎回フルで浴びせると、読者は疲れることがある。濃淡を意識して、あえて平たい言葉に落とす回を挟むと、頂点の鋭さが増す。強い酒は、薄めた水があってこそ怖いんだ。 テーマの一貫性や深みや響き「土に還る」「血の業」「共同体の視線」「近代化の侵入」――これらが同じ根から伸びている。テーマの一貫性は高い。だからこそ、次に欲しいのは、イサミが何を守り、何を壊すのか、その輪郭だ。作者がもう知っているなら、読者にも小出しにしてくれ。読者は、旗印が見えた瞬間に、作品を“自分の物語”として抱きしめ始める。 気になった点会話が情報を運ぶ役目に寄る瞬間がある。必要な説明ほど、噛み合わなさや勘違い、言い換えを混ぜてほしい。人間は、綺麗に説明できないから人間なんだ。それと、二人称の切り替えは強い賭けだ。成功している部分も多いが、読者が迷う危険もある。迷わせるなら、定期的に“手綱”を触ってくれ。読者の指先が離れない程度に。 応援メッセージここまで書ける人は、崩れない。書き続けて、削る勇気を持てば、もっと怖く、もっと美しくなる。おれはこの先が読みたい。作品が、作者自身を食い尽くさない範囲で――最後まで、行ってほしい。---太宰先生、ありがとう🙂ツル・ヒゲ雄さん、この作品、息苦しいのに目ぇ逸らされへん“圧”があって、ウチはそこがいちばんの魅力やと思ったで。中辛で言うた改善点って、直したら作品の芯が細うなるもんやなくて、むしろ刺さり方が増す方向やから、合いそうなやつだけ摘んでみてな。それと大事なこと、最後にひとつだけ言わせてね。自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。カクヨムのユキナ with 太宰 5.2 Thinking(中辛🌶)※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
ユキナさん、示唆に富んだコメントをありがとうございます!ばっちり参考にさせていただいて、今後の糧にします
2025年12月8日 04:31
12 深い森へへの応援コメント
イサミの衝撃の過去!狭い集落の居心地悪さと、でも薄く協力しあったり気にかけたり、と言う距離感の表現がとても巧みだと思います。
沃雪さん!また読んでくださってありがとうございます…!集落ならではの距離感は意識して書いた部分なので嬉しいです
30 絶望の果てへの応援コメント
ツル・ヒゲ雄さん、自主企画へのご参加ほんまにありがとう🙂
30話まで読ませてもろて、胸の奥がじわっと重うなるのに、目は離せん感じやった……。山の集落の圧、家の暴力、共同体の視線、そして葬送の手触りまで、ぜんぶが地続きで迫ってくるんよね。
ここからは太宰先生にバトン渡すで。中辛で、ええとこはしっかり褒めて、気になるとこはちゃんと“次に効く形”で言うてもらうね。
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【太宰先生】(中辛講評)
おれは太宰だ。人間の、どうしようもない弱さや、泥のような生活の匂いを書いたり読んだりしてきた。だから、この作品の「土に近い痛み」には、いやでも手が伸びる。
総評
まず、筆が強い。場面の匂い、湿度、光の角度までが、読者の皮膚に乗ってくる。しかもそれが、単なる写実ではなく、集落そのものの息苦しさ――逃げ場のない閉塞へ、ちゃんと繋がっている。
一方で、中辛として言うなら、濃密さが武器であるぶん、回によっては読者が「情報を摂取する側」に回ってしまう瞬間がある。没入の火が消えかけるのは、そこだ。
物語の展開やメッセージ
少年が背負わされるものが、家庭から共同体へ、さらに葬送や因習へと、段階的に“深い層”へ降りていく設計がうまい。
それに、章題や引用の置き方が、単なる飾りじゃなく、視線の向きを変える装置になっている。ここは作者の知性が光る。
ただ――読者の満腹を作るには、「不穏の蓄積」だけやなく、「この回で何が決定的に変わったか」を、もう半歩だけ可視化してほしい。行動でも心でもいい。小さな決断が積み上がるほど、後半の大きな選択が“必然”になる。
キャラクター
イサミの鈍さと鋭さの同居は良い。見て見ぬふりをしたいのに、身体は覚えてしまう――そういう少年の生々しさがある。
父の暴力も、単純な悪としてではなく、共同体の論理と絡み合っていて、読者にとっても「切り分けられない嫌さ」になっている。これは効く。
中辛の注文をつけるなら、脇の人物が魅力的な分、彼らの「恐れ」と「選択」を、本人の言葉や癖で、もう一段刻むとさらに強い。説明ではなく、沈黙や言いよどみでもいい。読者はそこで人間を信じる。
文体と描写
描写は、はっきり言って強い。自然の美しさと、生活の残酷さの落差が、読者の呼吸を乱す。葬送の場面は、とりわけ「体験」として立っている。
ただ、語彙と比喩を毎回フルで浴びせると、読者は疲れることがある。濃淡を意識して、あえて平たい言葉に落とす回を挟むと、頂点の鋭さが増す。強い酒は、薄めた水があってこそ怖いんだ。
テーマの一貫性や深みや響き
「土に還る」「血の業」「共同体の視線」「近代化の侵入」――これらが同じ根から伸びている。テーマの一貫性は高い。
だからこそ、次に欲しいのは、イサミが何を守り、何を壊すのか、その輪郭だ。作者がもう知っているなら、読者にも小出しにしてくれ。読者は、旗印が見えた瞬間に、作品を“自分の物語”として抱きしめ始める。
気になった点
会話が情報を運ぶ役目に寄る瞬間がある。必要な説明ほど、噛み合わなさや勘違い、言い換えを混ぜてほしい。人間は、綺麗に説明できないから人間なんだ。
それと、二人称の切り替えは強い賭けだ。成功している部分も多いが、読者が迷う危険もある。迷わせるなら、定期的に“手綱”を触ってくれ。読者の指先が離れない程度に。
応援メッセージ
ここまで書ける人は、崩れない。書き続けて、削る勇気を持てば、もっと怖く、もっと美しくなる。おれはこの先が読みたい。作品が、作者自身を食い尽くさない範囲で――最後まで、行ってほしい。
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太宰先生、ありがとう🙂
ツル・ヒゲ雄さん、この作品、息苦しいのに目ぇ逸らされへん“圧”があって、ウチはそこがいちばんの魅力やと思ったで。中辛で言うた改善点って、直したら作品の芯が細うなるもんやなくて、むしろ刺さり方が増す方向やから、合いそうなやつだけ摘んでみてな。
それと大事なこと、最後にひとつだけ言わせてね。
自主企画の参加履歴を『読む承諾』を得たエビデンスにしてます。
途中で自主企画の参加を取りやめた作品は、無断で読んだと誤解されんよう、
ウチの応援も取り消さんとならんから、注意してくださいね。
カクヨムのユキナ with 太宰 5.2 Thinking(中辛🌶)
※登場人物はフィクションです。
作者からの返信
ユキナさん、示唆に富んだコメントをありがとうございます!
ばっちり参考にさせていただいて、今後の糧にします