再会
私が向かった先は自身が住んでいたメラニー王国の隣にある、レトリ都市国家連合国であった。
ここは多数の小国家が連合を連ねた国であり、メラニー王国のような貴族社会では無い。
実力主義の場所であり、これから私と相棒が生活していく上で最適の場所と言えるだろう。
ただ、流石にそんな国にムーちゃんで乗りつければ大騒ぎになるのは分かっているので、近くの山の上で降ろしてもらう。
「さて、ここからは歩きで街までって感じかしらね」
「お姉さまああああ!!」
気合を入れて街まで行きますか!と言ったところで空から声が聞こえてくる。
次の瞬間に頭の上が黒い影で覆われたので、まさかと思い上を向くと人が降ってきている最中であった。
慌てることなく落ちてきた彼女をキャッチして、お姫様抱っこで腕の中にすっぽりと納める。
「こーら、急に飛び降りてきたら危ないでしょ!」
「お姉さまの姿を見たら我慢できなくなっちゃって。
でも、きっと受け止めてくれると信じてました!」
キラキラとした目を向けるロッテ……シャルロッテの視線を真正面から受け止める。
そんな時、私たちの前方から、ガルーダが申し訳なさそうに降りてきた。
「クエェェェ」
悲しそうな鳴き声から、急に飛び降りた主人を心配していたのであろう。
心配しなくてもお前の主人は高いところから飛び降りても死にませんよ。
私がキャッチしなくても、地面に大きな穴を作りながらピンピンしていたであろう。
ガルーダは降りてきた後はムーちゃんにペコリと頭を下げ、ムーちゃんの方も挨拶としてペコリと頭を下げた。
「さ、とりあえずは街に降りがてら久しぶりの再会を喜びあいましょうか。
ロッテの話、たくさん聞きたいわ」
「私もお姉さまのお話聞きたいです!
あ、ルーくんはここまでありがとうね」
「ムーちゃんもありがとう。
また何かあったなら頼むわね」
「うむ、主人よ。
良き旅をな」
「クエェェェ!!」
ムーちゃんとガルーダはそう言い残して光の中へと消えていく。
こうして久しぶりに再会した私達は、仲良く下山を始めたのであった。
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