第65話 九死に一生を得る
茉奈が後ろから優しく隼人を拘束する。190cmを超える隼人には無意味な拘束ではあるが、無理やり剥がして傷つけたくない彼は、逡巡するかのように前にいる穂乃果と後ろの茉奈を何度も見る。
「さて、この技術を穂乃果ちゃんの前で見せる時が来るとは私思っていなかったわ♪」
「な、なにを……」
「きゃっ//」
「ど、どうしたって……はぁぁぁっ~これはどうなっているだ!」
隼人は何故は少しの肌寒さを股間に感じたのでチラリと見る。するとそこには茉奈が素早くベルトを外して、ズボンごとパンツを下げていた。これは目の前に迫り来る危険な穂乃果に意識を向けた僅か数秒のことだ。その時間で茉奈は隼人に気付かれずに脱がしたのだ。
(お、恐ろしい絶技。……いや、今は感心している場合じゃないっ!しゃ、謝罪しないと、いや、その前にパンツを上げて……)
「もう、これが先輩のセンパイですか♪それに……これは女の子に嗅がせちゃいけない香りさせてますね~。後は……大きくなるだけですよ♪」
「あら~隼人君凄く大きいのね。身長が大きいからかしら?通常形態なのにこれほどの存在感……ふぅ、今日は雄一さんにいつも以上に激しくしてもらわないと♪」
二人は隼人のアソコに夢中であった。しかしながら、この展開は流石の隼人もマズイと考えて無理やりズボンを上に引っ張ろうとする。
しかし、穂乃果は隼人の行動よりも素早く握ろうとする。
「お、おい、穂乃果!俺のアレを握るなっ!」
「え~先輩、名前言ってくれないと穂乃果ちゃん分かんな~い」
惚けた様子で白を切る穂乃果を尻目に、隼人は先に拘束している茉奈を剥がすように力を入れた。
「きゃっ、もう隼人君お義母さんに乱暴はいけないのよ?」
「あ~先輩、私のママに乱暴した~。これは、もうお仕置きですね♪」
「うぉっ、ちょ、ちょ……ふぁ」
隼人は初めての体験に全身の力が抜ける感覚を覚える。そして、無意識ながら声を上げてしまう。それを聞いた穂乃果はニヤリと笑みを浮かべる。
(な、なんだこれ……自分でやるのとは訳が違う。す、すげぇ……)
「あれぇ~先輩、なんだか最初のころよりもスッゴイ大きいです♪もしかして、興奮しちゃってるんですか~?」
「さ、流石にダメだって!」
隼人は最後に残った理性を振り絞るようにして穂乃果の両肩を掴み離そうとする。しかし、抵抗するかのように全身に穂乃果は力を入れる。だからか、彼女が掴んでいた手にも握力が加わる。
(ま、で、出る!)
せめて茉奈や穂乃果に浴びせない場所へと自分の股間を向ける。しかし、運が悪かった。
「おい、何やっているんだ?リビングにまで声が聞こえる……」
リビングから洗面所へと向かってきた穂乃果の父である雄一の顔面に隼人の体液がかかってしまった。
流石に終始楽しそうに見ていた茉奈も驚きのあまり口をあんぐりと開けていた。穂乃果は手に付いたモノを愛おしそうに眺めている。
隼人は全身から血の気が引く感覚だった。
雄一は思考停止したかのように動くことはなく、目を全力で開き震えていた。
「じゃ、じゃあ……俺はそろそろ帰るよ。お邪魔しました……」
ズボンを上にあげて雄一の横を過ぎ去ろうとしたときである。穂乃果が予想外のことをする。
「ペロッ、ペロペロ。うぇ~まっず。まるで腐ったゼリーみたいです♪」
「隼人君も男の子ね~。でもダメよ?毎日ちゃんとオナっておかないと健康に良くないわよ?」
「あ、アハハ……ほどほどにしておきます」
「おい」
穂乃果と茉奈に意識を向けていたからか一番近くにいる雄一の動きを察知することが出来なかった。それでも反応出来たのは彼が声を掛けてくれたからだ。
「あ、危なっ!」
「チッ、躱したか……。まぁ簡単に死なれたら俺が楽しめないからな」
ポケットから取り出した折り畳みナイフで隼人の顔目掛けて突き刺してきた。それをギリギリ回避したが、僅かに髪が掠り何本か切れる。
「ちょ、ちょっと雄一さん流石にやりすぎよ!」
「そ、そうだよ、パパ!私だって、孕む気満々だから問題ないよ!」
茉奈と穂乃果が状況を理解して焦ったように父親である雄一を止める。
「アハハ!沢山の犯罪者たちの弁護もしたことがあるが、お前のような危険な犯罪者は今までいなかったぞ」
「……流石に嘘でしょう……」
「黙れ!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます