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     男は社会的に追い込まれる姿に、現代のコロナ禍の社会やリーマンショック時の派遣切りが過ぎりました。
     男は、その明日をも生きられない社会で、家宅侵入をしてしまう。
     しかし、そこに済む老婆は高齢から痴呆が入ってしまわれたのか、大海のような心の広さをもっていたのか、男を警察に通報することなく暖かく迎える。
     男が盗みをしようとしたことを反省していくのかと予想しましたが、老婆の善意を、まさかの裏切り。
     その瞬間、国語の授業で読んだ芥川龍之介『羅生門』
     当時は、羅生門の鬼という昔話を聞いたことがあったので、鬼が出てくると思っていたら、そんな存在はなく、極限状態になった時の人間の醜さをみることになりました。
     中国古代の政治論集『管子』には、「倉廩実ちて則ち礼節を知り、衣食足りて則ち栄辱を知る」(食料(倉廩)が満たされていることが、人々が落ち着いて社会秩序(礼節)を守るための大前提であると説いています。裏を返せば、食料が手に入りにくくなったり、価格が高騰して生活を圧迫したりすれば、人々の心は不安定になり、社会全体の秩序にも影響が出かねない)
     という言葉がありますが、それを思い起こしました。
     そして、現在の米不足からの高騰は、楽観視できるものではなく、このままでは人の心が荒廃していく怖さを感じました。
     まさに現代の羅生門ですね。

    作者からの返信

     ご感想いただき、ありがとうございます。

     この作品を書いたのはおそらく3年ほど前で、コロナ禍が収まりつつもその影響が色濃く残る頃でした。世間の風潮を物語に投影していた部分もあったと思います。
     おっしゃる通り、タイムラインを見ていても悩ましい問題が多いこの頃です。倫理や道徳を問われる世の中だと強く感じます。本を読み、自分の思いを書き出すことは、その一助になるかもしれませんね。

     大変深く読んでいただき、ありがとうございました。