パート5: 組み合わせの検討と店主への質問

(チェインメイルは動きにくそうだし、かといって革鎧じゃ不安だ…)


俺は鎧のコーナーを行ったり来たりしながら、腕を組んで唸っていた。

防御力を上げたい。でも、敏捷性は犠牲にしたくない。

この二つの要求を両立させるのは、なかなか難しい。


(待てよ…全身を覆う必要はないのか?)


重要な部分…例えば、心臓のある胸や、攻撃を受けやすい肩だけを重点的に守る、というのはどうだろうか?


俺は部分プレートアーマーのコーナーに目を向けた。

そこには、革鎧やチェインメイルの上から装着するタイプの、金属製の胸当て(チェストプレート)や肩当て(ショルダーガード)が並んでいる。


(これなら、チェインメイルよりは軽いはずだ。でも、金属だから防御力は期待できる…)


例えば、このシンプルなチェストプレートと、左右一対のショルダーガード。

これと、今の硬化レザーアーマーを組み合わせれば…?


(悪くないかもしれないな…動きやすさも、そこまで損なわれないだろう)


鎧の方向性はこれで行こうか。

次は盾だ。


(木製のラウンドシールドはもう卒業だな。金属製にしたい)


タワーシールドは重すぎる。

そうなると、金属製のラウンドシールドか、カイトシールドか。


(ラウンドシールドは扱いやすいけど、防御範囲が少し狭いのがネックだった)

(カイトシールドなら、縦に長い分、足元への攻撃も防ぎやすいかもしれない。重さは…ラウンドシールドより少し重いくらいか?)


俺は壁に掛けられた金属製のカイトシールドを手に取ってみる。

うん、ナイトソードと合わせても、片手で十分に扱える重さだ。

表面には傷一つなく、頑丈そうだ。


(よし、防具はこれでいこう! 部分プレート(胸・肩)と、金属製のカイトシールドだ!)


組み合わせは決まった。

あとは、それぞれの性能と値段だ。


俺は候補として目星をつけたチェストプレート、ショルダーガード、そしてカイトシールドを持って、店の奥で黙々と作業を続けている店主の方へ向かった。

武器屋の親父さんとは違い、こちらは背の高い、痩身で無口そうな男性だった。


「すみません、ちょっといいですか?」


俺が声をかけると、店主はゆっくりと顔を上げ、無言で俺と俺が持ってきた防具を見た。

感情の読めない、鋭い目が向けられ、少しだけ緊張する。


「このチェストプレートとショルダーガード、それとこのカイトシールドについて、詳しく聞きたいんですが」


俺は意を決して、そう切り出した。

さて、どんな性能で、値段はいくらなのか。

予算内に収まってくれるといいのだが…。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る