モタスポその他エッセイ(不定期更新)

@TFR_BIGMOSA

第1話 レッドブルレーシングの迷走&ドライバー交代

 去年から?


 のレッドブルレーシングの迷走について話を書く前に、大前提として。


 大昔の、サーキットにテストドライバーを連れて来てテスト走行させて実データを取得させてレース出走ドライバーのマシンを仕上げていた時代とか。


 あるいは「2倍以上の台数」用意して「テストチームが、レーシングチームが次に走るコースに先乗りしてコース貸し切りで走り込んで『そのコース用にマシンを仕上げて渡す』とか。


 そういうことが許されていた時代であってさえも、レーシングチームには「」と言われていました。

「理想はマシンを仕上げることとポイント狙いを両方ハイレベルでこなせるドライバー2名体制」

 これも古くから言われることで今年、フェラーリが意図している体制です。



 F1の場合時代と共に1チームから出走できるドライバーや、同時に契約できる予備ドライバー、育成ドライバーの数の制限が厳しくなっています。

近年はついにコスト抑制のためにテスト走行そのものまで制限するようになりました。


 ですからより一層、レッドブルレーシングの場合で言えば。

 M.フェルスタッペンのように「マシンの仕上がり以上の結果を出すドライバー」がいるならS.ペレスのように「仕上がり相応のタイムで走り、なおかつ決勝でもエースを援護できる」ドライバーの組み合わせが重要なわけです。


 フェラーリは昨年までC.ルクレール(仕上がり相応に着実に走ってなおかつ速い)とC.サインツ(仕上がり以上の結果を出すドライバーであると共に、マシンを仕上げることが苦手なドライバーです。ラリードライバーである彼の父とは、全く逆のドライバー)と言う組み合わせで迷走を重ねていましたが。


 今年はL.ハミルトン(私は彼のレースマナーがあまり好きではありませんが、マシンを仕上げることも速く走ることも兼務できることに疑念ありません)とC.ルクレールですから「チームがよほどのミスを重ねない限りは」ポイントをコンスタントに稼げるでしょう。

 

 そう、マクラーレンやメルセデス(両チームとも2022年のレギュレーション改訂でCFDと風洞を信じすぎてとてつもない開発ミスをやりましたが、立ち直りました)のように。

 

 フェラーリの問題は「フェラーリである」ことくらいでしょうか。

 フェラーリの耐久チームAFコルセが徹底的に手堅く運用されているのを見るに不可思議なほどですが、フェラーリと言う会社のすることを深く考えるのは時間の無駄なのでこれはおいておきましょう。


 レッドブルレーシングの話に戻りましょう。


 昨年。S.ペレスの「不調」がそもそも事実だったかどうか?

 単にM.フェルスタッペンと言う「マシンの出来以上の結果を出してしまうドライバーを基準にしてしまい、何か重大なマシンの欠陥を見落としていたのでは?」

 この検証はまだ十分とは言えませんが、ここまで2レースの結果を見るに「今年からレッドブルレーシングのセカンドドライバーとして起用されたローソンが遅い」と考えるよりは「何か欠陥を見落としていた」の方がありそうです。


 まあ、レース雑誌等のweb記事で数限りなく言われていることではありますね。


 さて。


 レッドブルレーシングの育成システムはあまり良い成績の組織とは言えません。

 貴重な育成成功例であるローソンのキャリアにこれ以上傷をつける前に。


 事実上の姉妹チームである(ルールの上では別チームですが)レーシングブルズ

の角田祐樹と交代させて(シーズン中のチーム間トレードは許されます)結論を出そうというのは頷ける決断です。


 角田も仕上がり以上に速く走ってしまうタイプでマシンを仕上げてゆくにはあまり向いていません(一昨年のモンツァを思い出せば明らかでしょう)し、あまり安定したドライバーとも言えません。

 が、彼をして今年のレッドブルレーシングのマシンを持て余すとなればレッドブル技術陣も決断できます。


 問題は、そうなったときに角田祐樹のキャリアはどうなるのか、これだけです。


 まあそんなわけで、私は今でも角田の移籍には反対なのです。


 レーシングブルズですから序盤からミスを重ねることもシーズン後半にはさらにダメになるのが通例ですが、有力チームが(特にフェラーリが)もたついているシーズン前半に「チームに足を引っ張られなかった場合のドライバーズランキング」1桁を維持しておけば。


「角田はチーム次第で、F1運営からの分配金をこれだけチームにもたらすドライバーだ」と示して来季契約交渉が出来ます。

 ハースとかアストンマーチンとか、アルピーヌとか(ウィリアムズはまさにこのパターンでC.サインツを獲得したばかりなので除外)にとって魅力ある選択肢を示せます。


 まあ移籍が決まった以上は角田祐樹が「実はM.フェルスタッペンと同じくらいに、仕上がり以上に速く走れる」と実証することを望む以外に何もないわけですが。

 レッドブルレーシングが現状の迷走から目覚めて「マシンの仕上がり状態を正確に反映するドライバーが必要」と気づいたら話は別ですが、それに気づくチームならS.ペレスを切らないでしょう。


 角田にとって最悪パターンは、彼が開幕から2レースで示した

「ローソンonレッドブル」<「角田onレーシングブルズのマシン」と言う実績の逆パターン。

 つまり「ローソンonレーシングブルズ」>「角田onレッドブル」となり、それが続くことでしょう。


 これはなんとしても避けないといけないわけですが……。


 さてどうなることか?


 ファンとして見る分にはF1は地上の夢、インディーカーや耐久レーサー、2輪グランプリバイクと同じくらいに「工学の精華を集めた、地上を戦闘機より速く走る夢の存在」です。

 そして、人間が耐えうる限度になんとか収まっています。今世紀初頭のCARTチャンプカーが限度を本当に超えてしまったことで、限界が判りやすくなりました。


 ドライバーも同じく。


 一方で、ドライバーやチームから見ればプロスポーツなので徹底的にビジネスであり、リスクは徹底的に避けるべきでありそこにはドリームもギャンブルもあってはなりません。

 一歩ずつ着実に進む以上の方法はありません。


 と、F1チームマネージャーでもドライバーのマネージャーでもないのに感情移入した視点と、一人のファンとしての目線が混乱したエッセイ第1回でした。


 2025年3月29日18時追記:さすがにレッドブルレーシングもその必要を感じたのか「角田が数戦不調であっても切らない。今期最後まで切らない」と発表しました。


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