第2話
見ると、そこには足ではなくヒョロヒョロとした白い帯状の物が延びている
「わっ!! なっ何だぁ……?」
目で先を辿ると、それは段々と細くなって、なんと真下に横たわっている自分の体に繋がっている
「何なんだこれッ!? ど~なってるんだぁッ!? 」
「これは魂の緒ですわ、お気の毒でんがあんさんは今日の夕方、5時23分に御亡くなりにならはりました。ほんで、この緒を切らして貰いますよって、死神はん、お願いしま」
地蔵菩薩がそう言うと、何処から現れたのか、陽炎の様に揺らめく漆黒のオーラを纏った者が、公司の魂の尾を切ろうと鎌の様な物を振り翳して迫って来た。
「えっ!! ちょっ、ちょっと待てっ、わ~~っやめろっ!! 」
公司がそう言っているうちに、死神はサッサと尾を切ってしまった。
「はい。これであんさんはもう、れっきとした死人さんだす」
「そんなぁ~っ!! 俺はまだ17だぞッ、まだまだやりたい事が一杯有るのに、アレだってまだやってないし、あんまりだぁ~~っ!! 」
下では公司の意志とは関係なく、事が進んで行く。
公司の体は遺体収容袋に入れられ、通夜や葬儀が行われる葬儀場へと運ばれる、公司はそれをまるで別世界の風景の様に見ていた。
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