翼を持つ悪魔

大統領の決断は早かった。


下命を受け、軍事基地では弾頭を装備された戦闘機が出撃の準備を開始する。

二機の戦闘機にそれぞれ2つずつ地中貫通爆弾が搭載される。全てを使うことは想定されず、二機目に関しては万が一に備えてのスペアだった。


こんなものが4つも全部投下されたら、地下も地上も生き残って居る人達の命は保証出来ないだろう。

政府高官は願わくば一発で終わらせて欲しいと祈った。


独特の高音を鳴り響かせて、二機の戦闘機は順に飛び立っていく。

アフターバーナーと呼ばれる蜃気楼の向こうに消えて行く二機は、まるで翼を持つ悪魔の鳥の様に見えた。



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