第8話

俺はモナちゃんの言葉に励まされながら、次なる目標である水の確保に向けて動き始めることに決めた。


「本格的に水を確保するにはまずどうしたら良い?」


モナちゃんが少し考えてから答える。


『まずは、海水を入れるための本格的な容器が必要ね。それとさっき蒸留するために使った葉は適してなかったみたい。』


「だよな。確かに、木の葉っぱならいっぱいあるけど、どれが使いやすいんだ?」


『葉っぱはできるだけ大きくて、厚みがあるものがいいわ。あと、耐熱性が高いものを選んでね。そうすれば、蒸発した水蒸気を効率的に集められるから。』


俺は最初からそう言ってくれよと思ったがそれも可愛らしく感じた。

「なるほど、わかった。まずはその葉っぱを集めて、それから容器か。」


俺は周囲を見回し、厚みのある大きな葉を見つけて集める。そんな中で、ちょっとした発見をした。


「あれ、これって…もしや!」


『どうしたの?』


「この岩にちょっとしたくぼみがある!もしかしたら、これを容器にできるかもしれない!」


モナちゃんが驚いたように答える。


『それは面白いアイディアね!そのくぼみを使って、海水を溜めることができるかもしれないわ。』


よし、俺はそのくぼみに海水を少しずつ注ぎながら、蒸留の準備を進める。次に、集めた葉っぱを使って、蒸発した水を集めるための「集水装置」を作る。葉っぱをうまく配置して、蒸発した水蒸気が下に流れるように工夫する。


「よし、これでうまくいけば、水が集まるはずだ!」


モナちゃんが声を弾ませて言う。


『すごいじゃない!これでしばらくは水に困ることはなさそうね。』


俺はそのまま、時間を待つことにした。蒸発した水が集まるまで、少し時間がかかるだろう。でも、こんな風に工夫して生活を少しずつ整えていけることに、少しだけ達成感を感じていた。


「あぁ、こんなにも無人島生活が充実してくるなんてな…。」


『そうよ、敦。最初はきっと誰だって不安だし、心が折れそうになるけど、ひとつひとつできることを増やしていけば、あっという間に生活が安定するわよ。』


その言葉に少し勇気をもらい、俺はまた目の前の焚き火に目を向ける。火を使い、食料を調達し、今度は水まで手に入れる。こうして、少しずつ無人島生活のシステムが完成し始めていることを実感する。


「次は、もっと大きな問題を解決しないとな…。」


モナちゃんが少し気になることを口にする。


『それにしても、敦、夜になる前にカニを捕まえるのも忘れないでよ。』


「うわっ、忘れてた!夜のカニを捕まえるのが一番の課題だったな!」


俺は急いで準備を整え、夜のカニが現れるのを待つことにした。気づけば、無人島生活の中で、俺はどんどん工夫を凝らして進んでいく自分に驚きながらも、少しずつ前向きになっていることを感じていた。


「これが無人島生活の楽しさなのかもしれないな。モナちゃん、ありがとな。」


『いつでもサポートするわよ、敦!一緒に頑張ろうね。』


俺は焚き火を囲みながら、少しだけリラックスした気分になった。無人島での生活は厳しいけれど、モナちゃんと共に乗り越えることで、だんだんと楽しみも増えてきている気がした。


「次は、カニだな!」

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