⑬報告と決意-2-
うわ~っ・・・
(攻略対象者共と悪役令嬢達が足元に及ばない美形って本当にいるのね・・・)
アイドネウスで美形に対する免疫が出来ていると思っていたけど、ザクレウスもまたタイプが異なるとはいえ人間離れした美形だし、ブリュネイアも穏やかで優しい雰囲気を纏った美貌だったものだから、ミストレインはある種の感動を覚えずにはいられないでいた。
「爺が俺達に伝えたい事?」
嫌な予感が胸に過ったアイドネウスが、ザクレウス達に続きを促す。
聞きたいのはやまやまだが創造神からの話の方が一大事だと思ったミストレインは、彼等の間に割って入るという野暮な真似をしないでリビングから立ち去ろうとする。
「伯母様、どちらへ行かれるのですか?」
神々の会話の場に人間がいるなど相応しくないと判断したのだと、ブリュネイアの問いにミストレインが答える。
「今回の事は伯母様にも関係があるので、この場に居て貰わないと困ります。何よりティフォーネ様が伯母様とお話ししたいと申しておりました」
「さっきからお二方が口にしている伯母様って・・・私の事?」
「そうですよ。ミストレイン殿は伯父上の神后となる御方ですから、我等が伯母と呼ぶのは当然の事」
「私が神后って・・・。神様の正妻が人間というのは許される事なの?」
(というより、二柱の中で私ってアイドネウスの嫁という認識だったのね・・・)
男神と人間の女、女神と人間の男が結ばれるのは、神話や物語で見た事はあるが、最後は悲惨というのがお約束だった。
現実でも人間同士の恋愛で価値観の違いや家の柵があって大変だというのに、異種族間となればそれが顕著ではなかろうか?
「伯母上は知らなくて当然ですが、神の恋愛と結婚って種族を問わないのですよ」
「愛人が人間というのは、ごく普通の事ですわ」
神話時代も現代のように絶対王政だったが、異類婚姻は当然のように行われていたので、神々が伴侶として人間を迎え入れていたのだという。
「もしかして、皇族や王族が神の子孫というのは本当の事だったの?」
「ある意味事実であると言えるし、そうでないとも言えます」
二柱の話によると、これは現代まで伝わっている悲惨な結末と関わりがあるのだという。
目出度く神の伴侶になったものの、永遠の時を生きるという事実に苦しんだ者達は自ら命を絶とうと自傷行為を繰り返す。中には気が狂ってしまい、地下牢に閉じ込められている者もいるとの事だ。
そんな親の姿に絶望した子供は地上に降りて、人間として暮らすようになったのだという。
「・・・・・・地上に降りた子供と人間との間に産まれたのが物語に出てくる英雄と美女で、当時の権力者は彼等を伴侶に迎えたり、愛妾にしていた?」
「ええ。正確に言えば曾孫、玄孫、来孫あたりですので、随分と神の血は薄くなっていますけどね」
「平民と一緒になった者もいるので全てがそうだと言えませんが、その彼等の子孫が現在の国々を支配している皇族と王族です」
己の権威を高める為に神の子孫を自称しているに過ぎないと思い込んでいたミストレインは、目から鱗が落ちる思いをしていた。
「ザクレウス、ブリュネイア。ミストレインへの説明は俺がするから、爺の話が何なのか教えてくれないか?」
「そうですね」
アイドネウスに声を掛けられたザクレウスの掌から巨大な水晶が出現した。
『ハロー、ハロー。グ~ッドイブニング!』
(〇仙人のじっちゃん・・・?)
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
あのアイドネウスの祖父なのだから、さぞかし絵画で目にしたような白い髭を蓄えた威厳溢れる老人だと思っていたミストレイン。
(何かイメージと違う・・・)
水晶に映し出されたのが、某漫画に出てきたあのキャラにそっくりな爺さんだったものだから、ミストレインは想像と現実のギャップに悩むしかなかった。
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