⑪ヒロインはここ現実である事に気付いていない-1-
「カルロス様ぁ~♡あたしぃ、カルロス様の為にぃ~、綺麗になりたいからぁ~、新しいドレスとピンクダイヤの首飾りとイヤリングと指輪が欲しいですぅ~♡」
「俺の為に美しくあろうとするとは・・・。カサンドラ、そなたこそ俺の傍らにあるに相応しい姫だ」
カサンドラの態度に気を良くしたカルロスは、腕利きの職人に彼女が希望したドレス等を作らせる。
「ギュスターヴ様の剣術ってぇ、見ているだけでも興奮するからぁ~、火照っちゃって脱いでしまいそうですぅ~♡」
「カサンドラ妃。僕を見て興奮してくれるのは嬉しいですが・・・滑らかな象牙色の肌を僕以外の男に晒そうとするのは許せませんね」
訓練場の席で眺めているカサンドラの元にやって来たギュスターヴは自分が羽織っているマントを外すと、彼女の身体を覆い隠す。
「エンディミオン様にぃ~、見られているだけでぇ~、ゾクゾクっとしちゃいますぅ~♡」
「カサンドラ妃・・・」
相手は皇帝の寵姫だと分かっていながら心が惹かれている女性の一言に、エンディミオンはカサンドラを雄としての欲情が籠った視線で見つめる。
「ゼフュロス様ってぇ~、忠誠心が高いですよぉ♡そんなぁ、ゼフュロス様が分からないキャロライン様はぁ~、馬鹿ですよぉ~」
「カサンドラ様・・・」
婚約者であるキャロラインから『陛下と私、どちらが大事なのですか!?』と、日頃から詰め寄られているゼフュロスはカサンドラの一言に癒される。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
「カサンドラ妃!貴女は陛下の寵愛を一身に受ける御方です!」
「その貴女が私の未来の夫となるギュスターヴ様と・・・・・・」
ふんっ!
「あたしと攻略・・・カルロス様達は、あんた達が考えているようなものじゃないわ!優秀な婚約者とやらと比べられて悩んでいるあいつ等を慰めてやっているんだから寧ろ感謝して欲しいくらいよ!!」
婚約者に愛されたかったら、【気位が高くて何を考えているのか分からない無表情な女】ではなく【純粋無垢で天真爛漫な馬鹿女】になればいいんじゃないかしら?
まぁ、生まれた時から高貴な身分であらせられるあんた達が、男に縋る頭が弱くて可愛い女なんかになれないでしょうけど!!!
皇帝の寵姫という立場にありながら自分の婚約者に粉をかけている事を問い詰めるエレクトラ達に対して、カサンドラは悪びれもせず飄々と、それどころか男を立てずに見下しているような態度を取っているのが悪いと言い返す。
(自称ヒロインさんは今日もお盛んよね~。ヒロインというのは精神だけではなく肉体的にもタフネスじゃないと務まらないポジションだったのね・・・)
逆ハーエンドを目指しているのか、隠しキャラのアイドネウス狙いなのか分からないが、攻略対象者共の前では男が理想とする女の子を演じて媚を売りつつ彼等に悟られぬように悪役令嬢として位置づけられている婚約者達を陥れようとしているカサンドラの様子を遠巻きに眺めながら己の仕事をこなしていく少女の姿があった。
少女の名前はマイア。
ヒロインを自称する者は心身共にタフネスでないと出来ないと言っている事から、マイアはカサンドラと同様に転生者である。
そんな彼女の前世の名前は菅谷 凛子という灯夜のクラスメイト。
大学卒業後はエステティシャンになった女性だった。
(ヒロインのように他人を陥れたり、男の前では態度を変えて理想の女を演じたり、あんな気持ち悪い喋り方をして媚びるなんて私には出来ないわね)
マイアは前世の記憶を取り戻した時を思い出す。
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