第3話

私は目を覚ました。目の前には私の専属侍女のメイがいる。メイは私が幼い時から一緒にいるので姉みたいな存在だ。でも、メイの母が病気を患っていたので、メイの家から遠い伯父の家にはついていけなかった


「お嬢様! やっと目が覚めましたね。私は心配で心配で……」


メイの目には私でもわかるくらいの涙が溜まっている。そして、ぽつりぽつりと目から溢れている


ひさしぶりに会ったと言うのに泣かせてしまったわ


「ごめんなさいね、メイ」

「いいえ、お嬢様が謝る事では無いですよ! あのダミアンとか言うクソ野郎のせいですので」


私が罪悪感に耐えようとしているのに、メイがクソ野郎とか言うので顔がニヤついてしまった。笑いを堪えていたが、やっぱり耐えきれず声を出して笑ってしまった


「お嬢様! 元気になられましたね。目覚めた時から何だか元気がなかったので」


驚いてしまった。だって、気づかれないようにがんばって表情を隠していたから


「気づいていたのね。バレないように頑張っていたのに。メイには隠せないわね」

「ええ! このメイはお嬢様の事なら何でもお見通しですから!」


私たちは久しぶりに何気ない会話をしながら、笑い合っていた

そして、私は家に帰ってきたんだなと実感した


☆☆☆☆☆


今向かっているのは書斎。お父様に会うためだ


お父様には心配をたくさんかけさせたわ

だって、目の前で倒れてしまったもの


あれこれ考えているといつのまにか書斎についていた


コンコンコン

「お父様。失礼します」


緊張しながらも、お父様に会うため私は書斎に入って行った

入ったらすぐお父様が見えた。お父様は私を心配しているのか真剣な表情だ


「クロエ、体調は大丈夫か?」

「はい! お父様」


やっぱりお父様は私を心配していた。なので私はいつもより大きい声で返事をしてみた


「なら良かった」


お父様は安心したのか表情が柔らかくなり笑顔になっていた。私もお父様につられて、笑顔になった。途端、お父様が駆け足で私に近づいてきた。急にどうしたのか? と思ったが、またいつものだ、と言うことがわかり冷静になった


いつものと言うのは、私に激甘なお父様は仕事の都合なので、私に1日でも会えなかったりしたら、私に頬ずりをこれでもかっていうくらいするのだ。


寂しいのはわかるけどずっとされるのはなかなかきつい。まあ、今回は半年も会えてなかったので受け入れてあげることにした

正直言うと、私も寂しかったから


こんな時でも本音を言えない私であった……

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