12の国の物語 〜幻想世界を巡る夢の旅〜
Algo Lighter アルゴライター
「灼熱の砂漠で芽生える、禁断の恋。」
第1話『砂漠に咲く一輪の花』
1. 砂漠の王国「サハラーナ」
太陽が焼き付くような砂漠の王国、サハラーナ。
王宮の中庭には、美しく咲き誇るバラが揺れていた。
「姫様、そろそろご準備を」
侍女が声をかける。
ライラ王女は、大理石のベランダに立ち、遠くの地平線を見つめていた。
「……ええ、わかっているわ」
彼女は王家の娘として生まれたが、その生き方は自由ではなかった。
明日は、隣国の王子との婚約の儀式。
一度結ばれれば、サハラーナの未来は安泰となる。
それが、この国の姫としての使命。
それでも――心の奥底では、何かが違うと叫んでいた。
2. 砂漠の市場での出会い
その夜、ライラは宮殿を抜け出した。
重いベールを被り、下町の市場へと向かう。
煌めくランプの光、甘いスパイスの香り、人々の活気――
宮殿では決して味わえない、自由な空気。
そんな中、一人の男が目に留まった。
「そこのお嬢さん、美しいスカーフはいかが?」
旅の商人らしき男が、深紅の絹を掲げて微笑む。
日焼けした肌に、琥珀色の瞳。
粗末な服装ながら、不思議な気品を持っていた。
「あなたの瞳に似合うと思うよ」
ライラは、思わず笑った。
「それで、いくらなの?」
「あなたが自由になれるくらいの値段さ」
彼は冗談めかして言ったが、その言葉はライラの胸に刺さった。
「……自由になれるなら、なんでも払いたいわ」
彼は驚いたように目を瞬かせた。
「じゃあ、姫様。俺と来るかい?」
ライラの息が止まった。
なぜ彼が、自分の正体を知っている?
「――どうして、私が姫だと?」
「目を見ればわかるさ。檻の中で飼われた鳥の目だ」
その言葉に、ライラは思わず笑ってしまった。
なんて無礼で、なんて魅力的な男なのだろう。
3. 砂漠の夜と、逃避行
「私を、自由にしてくれる?」
ライラは思わず口にしていた。
「……なら、ついて来な」
男は手を差し出す。
ライラは迷わず、その手を取った。
二人は市場を抜け、砂漠の夜へと駆け出す。
金色の月が、砂丘の向こうに輝いていた――。
4. 王家の追跡、そして選択
しかし、自由な時間は長くは続かなかった。
翌朝、王宮の騎士たちがライラを迎えに来た。
「姫様、王の命令です。お戻りください」
カリムは剣を構えたが、多勢に無勢。
ライラは、静かに彼を見つめた。
「私は……この国の姫なのよ」
彼は唇を噛んだ。
「それでも、お前の心は自由だ」
ライラは目を閉じる。
この国を捨てることはできない。
だが、心までは囚われない。
「ありがとう、カリム」
ライラは、深紅のスカーフを彼に渡した。
「また、自由の風が吹く日に」
騎士たちに連れられ、彼女は宮殿へと戻る。
砂漠の風が、優しく二人を包んでいた――。
エンディング
政略結婚の儀式が終わる頃、宮殿の窓から外を見ると――
市場の片隅で、一人の男が笑っていた。
彼は、深紅のスカーフを風に翻しながら、そっと囁く。
「いつか、必ず迎えに行くよ」
ライラは微笑んだ。
「ええ……その日まで、私も自由を夢見てるわ」
風が、砂漠の国を駆け抜ける。
それはまるで、二人の約束のように。
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