タイフーン
開戦当初、激しい戦いの後、台湾海峡の一年は小康状態にあった。
中国軍がもし台湾を侵攻しようにも、その揚陸する兵力は今のところなかった。
その間、タイフーンは18機配備され、実戦任務についていた。
台湾空軍のパイロットは米軍式で訓練されていたため、英語も問題はなく、訓練はあくまで転換訓練程度で済んだ。
台湾空軍のタイフーンは、ステルス性がないことを除けば、大抵の中国機に対抗できる非常に優秀な戦闘機であった。
ステルス機も、タイフーンに搭載されたIRSTは有効であると思われた。
IRSTは敵機の方向しかわからないが、台湾にリースされたタイフーンは、試作品ではあるが、二機が連携してIRSTを使うことで、三角測量の原理で距離まで測定することができた。
それに曳航デコイを使用することで、ステルス機からの不意打ちを回避することもできた。
それだけでない。電子妨害装置も最新型に改良されていた。
これはデジタルステルス機能を持ち、ステルス機ですらタイフーンをレーダーで捜索した場合、正確な位置を測定することが不可能な代物だった。
具体的には敵レーダー波を分析して、自らの位置を違う場所にいると誤認させたり、一機を複数の機体であると
そしてタイフーンに搭載されていた新型レーダー、キャプターEも、敵ミサイルのシーカーを物理的に破壊する能力があり、まさしく電子攻撃能力を有していた。
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