人治を脱する試み
@takahirohorii12
第1話
民主主義と人の手による経済活動は残された人治であると思う。個人の意思の集合体によって運営される人治と言い換えてもいい。それが存在する意味について問うことは今は避ける。その弊害について問いたいと思う。
特に民主主義に紐付けられた法の支配というのは明らかに恣意性とともにあらねばならないという欠陥があるだろう。裁判官や検察官はフェアな判断というものを志向しているのだろうが、現実の複雑さに耐えうるものはそこまで多くはない。その証拠に証券取引法の判例のいくつかは現実の金融取引を理解していないか、意味を取り違えているかのようなものが散見される。
日興コーディアル粉飾決算事件における検察および裁判所の下した判断を見れば明白である。日本の金融市場における法の不透明性や恣意性が国際的に疑問視される結果を招いてしまった。
また民主主義的な基盤に基づいた司法という方便を用いて自己を正当化する気風すらある。検察審査会が実質的に機能していない現状を見れば明らかである。
こういう限界からまず人間が現実の複雑性に適応できないということを踏まえた秩序の創出が必要だと思う次第である。
現実の不確実性や複雑さに適応する秩序に人間が関与できるとすればどのような姿だろうか?おそらく人治を脱するためのあらゆる試みであると判断する。
ここで短絡的に人工知能によって運用すれば解決するという結論を持ち出すのは控えたい。人工知能とりわけ深層生成モデルが秩序の一部に組み込まれるのだろうが、それだけでは機能し得ないであろう。
人間から能力を引き出す何らかのアプローチも必要であろうし、それらを集めて総合的に統合する集合知のようなものも必要だろう。直感という人間に与えられた複雑性を突破する鍵を活かした仕組みを目指すべきである。
そこでどのように構築していくかここで模索をしていきたい。
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