第29話

『晶!!』



ーバシッ


お父さんはわけもわからず目の前の晶を殴り出した。





『キャー!!晶…晶!!』



私は必死で晶をかばおうとする。




『お前達はなんと恐ろしいことを-…晶!!この馬鹿息子が!!』



晶はまだ意味がわかっていなかった。



一人全てのつじつまが合った私は、目の前の光景を泣きながら…


ただ、見つめることしかできなかった。






"兄妹"







私達は同じ血を通わせた人間だった。




私達は愛し合っちゃいけない人間だった。




私達は"兄妹"







私は晶を



晶は私を





"愛している"







運命のいたずらはこんなにも簡単に天使の羽をもぎりとったんだ。




ここから先は語ることなどないであろうー…




歯車を狂わされた


奈落の底に落ちた"堕天使"






その"悪魔"が歩む先を-…

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